2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子解析と分子トレーシングを基盤とした細胞標的分子の創製
Project Area | Molecular Science for Nanomedicine |
Project/Area Number |
23107010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
夏目 敦至 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (30362255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千賀 威 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (80419431)
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Keywords | ナノメディシン / 脳腫瘍 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
がん幹細胞および神経幹細胞の維持・形質変化誘導に関与するヒストンメチル化修飾およびDNAメチル化の標的遺伝子の解析により、エピジェネティクス治療薬のリード化合物を見出し、この誘導体分子ががん幹細胞の維持・不均一な形質変化誘導を阻害することを確認している。この現象を分子科学的に理解するとともに、誘導体分子を薬剤として実現するために、これらの薬理作用、薬物動態の確認、さらには細胞を対象とした作用点(特異性)について研究する。 また、トレーシング技術により細胞・組織内での輸送挙動を解析し、in vivoでの効率的な送達システムの設計を行う。すなわち、リード化合物の発見・合成から、安全かつ効果的な革新的細胞標的医薬の実用化を目指す。メチル化を抑制するための薬剤を効率よく作製するため、EZH2の細胞内における挙動、生理的役割をナノメディシン的方法論で解析する。EZH2はヒストンのメチル化を制御することにより、染色体の構造に影響を及ぼし、その領域にある遺伝子の発現を変化させる。その遺伝子発現変化が癌幹細胞の維持、不均一な癌細胞への変化を制御している。これらの現象を様々なパラメーターを用いて明らかにするため、EZH2の細胞内での挙動、生理的役割を検討した。らに、メチル化、アセチル化領域を認識するペプチドプローブを作製し、同時に観察することも試みる。これらの実験により、細胞質内、または核内おけるEZH2の濃度、さらにその時の染色体のある領域に結合しているEZH2の個数、そしてそれによるDNAの構造変化を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳腫瘍のバイオマーカー探索のために、遺伝子解析を行っていると同時に、すでに既知のバイオマーカーである抗がん剤耐性タンパクの高速Cメチル化によるトレーサー開発を行っている途中である。しかし、生体内へのドラッグデリバリーとして、手術ロボットを導入し、すでに臨床応用しているのは評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
メチル化を抑制するための薬剤を効率よく作製するため、EZH2の細胞内における挙動、生理的役割をナノメディシン的方法論で解析する。EZH2はヒストンのメチル化を制御することにより、染色体の構造に影響を及ぼし、その領域にある遺伝子の発現を変化させる。その遺伝子発現変化が癌幹細胞の維持、不均一な癌細胞への変化を制御している。これらの現象を様々なパラメーターを用いて明らかにするため、EZH2の細胞内での挙動、生理的役割を樋口グループと共同で詳細に検討する。蛍光タンパク質と融合させたEZH2を癌幹細胞に発現させ、様々な段階にある癌幹細胞におけるEZH2の細胞質、核内における濃度、拡散速度を明らかにする。
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Research Products
(7 results)