2013 Fiscal Year Annual Research Report
観察・計測によるシンクロ/非シンクロ型LPSO構造の変形機構と強化原理の比較解明
Project Area | Materials Science of synchronized LPSO structure -Innovative Development of Next-Generation Lightweight Structural Materials- |
Project/Area Number |
23109008
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
東田 賢二 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70156561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 龍哉 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00274506)
萩原 幸司 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10346182)
藤原 雅美 日本大学, 工学部, 教授 (40156930)
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Project Period (FY) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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Keywords | 力学的特性 / 塑性変形機構 / キンク / 高温強度 |
Research Abstract |
シンクロ型LPSO構造,特にMg基LPSOは軽量で且つ高い強度と延性を発現する.本研究では,この合金に置ける優れた力学特性の発現メカニズムを解明し,LPSOによる新たな強化機構の確立を目指すことを目的とする.具体的には,シンクロ型LPSO構造の特徴である同期した積層変調と濃度変調とが力学特性に与える寄与を,非シンクロ型LPSOおよび非シンクロ材料との特性比較により明らかにする.さらに,LPSOでの強化機構の要となるキンク帯の構造と形成過程を実験的に明らかにし,計算力学グループと連携してその階層的モデル化を図る.以上の研究で明らかとした強化機構と変形機構を,超高圧電顕法,中性子線回折によるその場観察で検証し,強化メカニズムの妥当性を実証する. 今年度は,当研究班が主目的とするキンク変形機構の解明について,その形成過程および強化への寄与に関する多くの重要な知見が得られた.材料局部の塑性変形状態を捉えることのできる微細マーカー法を用い,変形と共に増加する表面凹凸を伴うキンク帯の性状を調べ,キンク帯が一旦形成したものの近傍に優先的に発生する傾向を見出した.また,Mg-6at.%Zn-9at.%Y(LPSO単相合金)と亜鉛単結晶におけるキンク帯の形成過程を調べ,キンク界面の移動速度が非常に高速の場合と極めて低速(秒速2ミクロン程度)の場合のあること,亜鉛に比べてLPSO合金では比較的小さいキンクが均一に分散することを見出した.一方,Mg-5at.%Zn-7at.%Y押出材について,圧延により予めいろいろな数密度のキンク帯を導入した試料を室温から高温までの硬度試験に供し,キンク帯が強化に寄与すること,また,その強化は温度依存性のあることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に従い,今年度は,塑性変形の重要な機構であるキンク帯形成に関する基礎的実験を進めることで力学特性解明のための有用な知見を得ることができた.また,合金単結晶作製技術をさらに向上させ,領域研究全体で利用する共通試料の供給を昨年度に引き続き順調に行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
LPSO単相合金とこれを含む複相合金について,室温から高温における力学特性とその変形組織,特にキンク帯について引き続き調べ,その特徴を明らかにしていくと共に,計算グループとの連携をさらに強化し,キンク変形のモデル化,および,キンクの形成が力学特性に及ぼす影響について検討を進めていく.
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Research Products
(40 results)