2011 Fiscal Year Annual Research Report
細菌の原虫・哺乳動物宿主に対する寄生・共生の分子基盤
Project Area | "Matryoshka"-type evolution of eukaryotes |
Project/Area Number |
23117002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永井 宏樹 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (80222173)
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Keywords | 細菌 / レジオネラ / アメーバ / 細胞内寄生 |
Research Abstract |
マトリョーシカ型進化につながる一次共生への第二歩は、細菌の真核細胞への侵入とそれに続く潜伏・増殖可能なニッチの形成である。この第一歩は今日においても何らめずらしい現象ではなく、細胞内寄生菌として知られる一部の病原菌による感染成立において日常的に見いだされる。本研究では、自由生活性アメーバをリザーバを宿主とする病原菌レジオネラと、宿主アメーバ(アカントアメーバ・細胞性粘菌)の共生・寄生関係の成立と破綻に着目する。細菌・アメーバの攻防を、双方の視点からのアプローチにより解析し、レジオネラのアメーバ中での生存戦略、およびアメーバの細菌感染に対する生存戦略を明らかにする。本年度は、細胞内寄生性細菌レジオネラの宿主内生存戦略の解明のため、レジオネラのアメーバ内増殖を効率的に検定する系を開発した。この系では、蛍光タンパク質を発現するレジオネラ株を利用し、アメーバ・細胞性粘菌中でのレジオネラ増殖を、レジオネラ由来の蛍光を計測することにより、ハイスループットで検討できる。この系を利用して、アメーバ中での生存戦略にかかわるレジオネラエフェクタータンパク質の同定(一部済)・解析を今後展開していく。一方、宿主アメーバのレジオネラ感染における生存戦略の解明のため、本年度は感染アメーバのリアルタイムイメージング系を構築した。予備的なデータから、哺乳類細胞感染時と比較して、アメーバに侵入したレジオネラのより多くの部分が増殖可能ニッチの成立に失敗しすみやかに分解されていることを示唆している。今後このイメージング系を活用して、宿主細胞中でのレジオネラ動態を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、レジオネラのアメーバ内増殖を効率的に検定するハイスループット系や感染アメーバのイメージング系の確立なと、交付申請書に記載した研究計画をおおむね達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度5月より本研究専従の特任研究員を一名雇用予定であり、レジオネラエフェクタータンパク質KOライブラリの構築等でのさらなる推進が期待できる体制を構築した。
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Research Products
(9 results)