2013 Fiscal Year Annual Research Report
細菌の原虫・哺乳動物宿主に対する寄生・共生の分子基盤
Project Area | "Matryoshka"-type evolution of eukaryotes |
Project/Area Number |
23117002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永井 宏樹 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (80222173)
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Project Period (FY) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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Keywords | 細菌 / 細胞内寄生 / 細胞内共生 / レジオネラ / アメーバ |
Research Abstract |
マトリョーシカ型進化につながる一次共生への第一歩は、細菌の真核細胞への侵入とそれに続く潜伏・増殖可能なニッチの形成である。この第一歩は今日においても何らめずらしい現象ではなく、細胞内寄生菌として知られる一部の病原菌による感染成立において日常的に見いだされる。本研究では、自由生活性アメーバをリザーバー宿主とする病原菌レジオネラと、宿主アメーバ (アカントアメーバ・細胞性粘菌)の共生・寄生関係の成立と破綻に着目する。細菌・アメーバの攻防を、双方の視点からのアプローチにより解析し、レジオネラのアメーバ中での生存戦略、およびアメーバの細菌感染に対する生存戦略を明らかにする。 昨年度までに同定したアメーバ中での増殖が有意に減弱する候補エフェクター遺伝子群について、欠失株作製・相補性の確認などに加え、より確度の高い複数の方法により細胞内増殖能を検討した結果、少なくとも2つのアメーバ特異的エフェクタータンパク質を確定させた。得られたアメーバ特異的エフェクタータンパク質の機能を明らかにするため、その標的となる宿主タンパク質の探索を行い、現在その結果を別の方法で確認中である。一方、宿主アメーバのレジオネラ感染における生存戦略の解明のため、RNA-seq法によるアメーバのトランスクリプトーム解析法の確立に着手した。今後アメーバ寄生・共生菌による影響を解析することにより、宿主側の寄生・共生体に対する生存戦略の解析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、アメーバ特異的エフェクターの確定、およびその機能の探索の網羅的破壊株ライブラリの作製、ハイスループット系を利用したスクリーニング、アメーバのトランスクリプトーム解析系の構築なと、当初予定の研究計画をおおむね達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
レジオネラ側からの解析は順調に推移している。宿主側からの解析では、非モデル生物であるアメーバの方法論の構築に手間取っている点は否めず、今後専門家の協力を得て、さらに研究を加速していきたい。
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[Journal Article] Amoebal endosymbiont Neochlamydia genome sequence illuminates the bacterial role in the defense of the host amoebae against Legionella pneumophila2014
Author(s)
Ishida K, Sekizuka T, Hayashida K, Matsuo J, Takeuchi F, Kuroda M, Nakamura S, Yamazaki T, Yoshida M, Takahashi K, Nagai H, Sugimoto C, Yamaguchi H
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Journal Title
PLoS One
Volume: 9
Pages: e95166
DOI
Peer Reviewed
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