2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New aspect of the ubiquitin system : its enormous roles in protein regulation |
Project/Area Number |
24112006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
嘉村 巧 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40333455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 鎮次 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70294973)
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Project Period (FY) |
2012-06-28 – 2017-03-31
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Keywords | タンパク質分解 / ユビキチン |
Outline of Annual Research Achievements |
ユビキチン修飾系は、時空間的選択性をもってタンパク質を識別し、ポリユビキチン鎖などの多様な様式のユビキチンを結合させることでタンパク質の機能を制御することにより、様々な生命現象に重要な働きを果たしている。本研究では、E3、中でもCullin型E3およびTRIM型E3の機能解明を目的としている。Cullin 型E3であるSSB4がシグナル伝達に、Zyg11Bが細胞死に、ASB12が細胞骨格にさらにはASB7が中心体複製に関与していることを見出しており、これらの細胞生物学的解析を進めている。 TRIM型E3に関しては、転写因子等の活性化制御に関与するTRIMタンパク質を生化学的手法により同定しており、細胞生物学的解析により細胞増殖や分化に関する新たな機能が判明してきており、現在はその詳細な解析を進めている。特に、TRIM45がPKCシグナルを制御することで、細胞増殖に関与るすことが明らかとなった。また、TRIM29が上皮間葉転換EMTに関与する因子であることが判明した。組織学的解析もしくは組織病理学的解析の結果、TRIMタンパク質が、がん診断のバイオマーカー的指標として役立つことが明らかになった。正常な前立腺は、腺細胞及び基底細胞からなっており、腺細胞の周囲に基底細胞が存在する構造をしている。そして、基底細胞は前立腺がんにおいて、消失することが知られている。我々は正常前立腺組織の基底細胞にTRIM29が特異的に発現していることを見出した。そこで抗TRIM29抗体による免疫組織化学染色を行ったところ、前立腺がん組織においてTRIM29陽性基底細胞が消失(減少)していることが判明した。今後、前立腺がん及びその他のがんにおけるTRIM29のバイオマーカーとしての有効性を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ユビキチン修飾系の中で、基質特異性を決めるE3の研究は中核をなすものである。われわれはE3、中でもCullin型E3およびTRIM型E3の機能解明を進めている。現在までにこれらE3の新たな基質を複数同定し、細胞生物学的解析を進めている最中である。これらのことよ り、本研究はおおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
1. E3ユビキチンリガーゼに対する基質の同定およびその機能解析 a. Cullin型およびTRIM型E3ユビキチンリガーゼに対する基質の網羅的解析 今までに引き続き、Cullin型およびTRIM型E3に対する基質の同定およびその機能解析を行う。① Cullin型およびTRIM型E3との結合を指標とした基質の同定 DNAデータベースを利用しCullin型およびTRIM型E3を新たにクローニングし、免疫沈降法および質量分析法の組み合わせや酵母2ハイブリッド法により相互作用するタンパク質(基質タンパ ク質の候補)を同定し、内在性タンパク質レベルで新規基質候補タンパク質を確定する。② 機能的アッセイを用いたE3の新規基質候補タンパク質の絞り込み 野生型あるいは不活性型のE3の過剰発現あるいはRNA干渉法によるE3の発現コントロールを行い、新規基質候補の半減期への影響を検討する。この過程で同定した基質が分解に導かれるかどうかを選別ができる。試験管内あるいは培養細胞内でE3の新規基質へのユビキチン修飾能を検討 する。③ E3による新規基質の制御の役割の細胞レベルでの検討 新規基質のアミノ酸配列よりその生体内での機能を予測する。E3の過剰発現あるいはRNA干渉法によりE3の発現を抑制した細胞株を作製し、酵素-基質対応から推測される機能に基づいて、細胞増殖アッセイ、細胞周期解析、転写活性化に関する解析、アポトーシスアッセイなどを行う。④ E3による新規基質の制御の役割の個体レベル、遺伝学的検討 E3のトランスジェニックマウスやノックアウトマウスを作製し、発生や病理学的検索を行うと共に、③の結果より推測される現象に関して検討する。また、神経・心筋・線維芽細胞などの初代培養細胞を調製し、新規基質の発現量およびユビキチン化の有無を調べる。これらの初代培養細胞を用いて③で観察された現象を中心に解析する
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Rare allele of a previously unidentified histone H4 acetyltransferase enhances grain weight, yield, and plant biomass in rice.2015
Author(s)
Song, XJ., Kuroha, T., Ayano, M., Furuta, T., Nagai, K., Komeda, N., Segami, S., Miura, K., Ogawa, D., Kamura, T., Suzuki, T., Higashiyama, T., Yamasaki, M., Mori, H., Inukai, Y., Wu, J., Kitano, H., Sakakibara, H., Jacobsen, SE., Ashikari, M.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci USA
Volume: 112
Pages: 76-81
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Molecular role of RNF43 in canonical and noncanonical Wnt signaling2015
Author(s)
Tsukiyama, T., Fukui, A., Terai, S., Fujioka, Y., Shinada, K., Takahashi, H., Yamaguchi, T.P., Ohba, Y. and Hatakeyama, S
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Journal Title
Mol. Cell. Biol
Volume: in press
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] MED26 regulates the transcription of snRNA genes through the recruitment of little elongation complex2015
Author(s)
Takahashi, H., Takigawa, I., Watanabe, M., Anwar, D., Shibata, M., Tomomori-Sato, C., Sato, S., Ranjan, A., Seidel, C.W., Tsukiyama, T., Mizushima, W., Hayashi, M., Ohkawa, Y., Conaway, J.W., Conaway, R.C. and Hatakeyama, S
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Journal Title
Nature Commun.
Volume: 5
Pages: 5941
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] The nutrient stress-induced small GTPase Rab5 contributes to the activation of vesicle trafficking and vacuolar activity.2014
Author(s)
Nakatsukasa, K., Kanada, A., Matsuzaki, M., Byrne, SD., Okumura, F., Kamura, T.
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Journal Title
J Biol Chem
Volume: 289
Pages: 20970-20978
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] TRIM29 suppresses TWIST1 and invasive breast cancer behavior2014
Author(s)
Ai, L., Wan-Ju Kim, W., Alpay, M., Tang, M., Pardo, C.E., Hatakeyama, S., May, W.S. , Kladde, M.P., Heldermon, C.D., Siegel, E.M. and Brown, K.D.
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Journal Title
Cancer Res
Volume: 74
Pages: 4875-4887
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] TRIM29 as a novel prostate basal cell marker for diagnosis of prostate cancer2014
Author(s)
Kanno, Y., Watanabe, M., Kimura, T., Nonomura, K., Tanaka, S. and Hatakeyama, S
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Journal Title
Acta Histochem
Volume: 116
Pages: 708-712
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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