2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規ナノカーボン材料の表面/界面修飾による特性制御とデバイス応用
Project Area | Molecular Architectonics: Orchestration of Single Molecules for Novel Function |
Project/Area Number |
25110007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 和彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80344232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前橋 兼三 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40229323)
井上 恒一 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50159977)
大野 恭秀 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (90362623)
金井 康 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (30721310)
小野 尭生 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (00752875)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | グラフェン / 直接成長 / 電界効果トランジスタ / 両極特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では従来不可能であった絶縁基板上に直接グラフェンを成長する技術を開発して実現し、本研究領域の「分子アーキテクト」の土台となるグラフェンの実用化技術を提供し、グラフェンを電極とした分子デバイスの作製と評価を目的とする。 酸化シリコン基板上に炭素源となるアモルファスカーボンと触媒金属を蒸着し、レーザを走査しながら照射することによって、グラフェンの合成と同時にデバイスを作製することができる。前年度は触媒金属としてコバルトを使用し、蒸着金属とアモルファスカーボンの膜厚を最適化することにより、移動度100以上のグラフェンを作製することを行った。今年度は同様の手法でポリエチレンナフタレート基板上にアモルファスカーボンを用いずに触媒金属のみを使用してグラフェンを合成することに成功した。作製したグラフェンの歪みに対する電気特性の変化を調べ、歪センサーとして有用であることわかった。 化学気相成長法で合成したグラフェンを反応性イオンエッチングにより、50nm程度のギャップ幅を持つグラフェンナノギャップ電極を作製し、100nmのポリチオフェン分子を修飾し、グラフェンを電極とした有機分子トランジスタを作製した。その光学応答や電気特性の温度依存性等の評価を行った。 有機分子をグラフェン上に修飾してメモリ動作させるグラフェン有機分子メモリデバイスの開発に取り組み、電荷を保持可能な三脚分子をグラフェンに修飾し、酸化還元反応から修飾密度を評価し、電荷保持可能であるという結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度のグラフェンをシリコン基板上に直接成長する技術の改善し、フレキシブルなポリエチレンナフタレート上に合成し、その歪み特性の評価などを行った。グラフェンを電極とした有機分子トランジスタの作製し、その光学応答などの詳細な測定を行った。グラフェン有機分子メモリデバイスの作製に向けて、電荷を保持可能な三脚分子をグラフェンに修飾し、修飾密度の評価を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
有機分子トランジスタではポリチオフェン分子のみでしか評価できていないため、今後は様々な分子を用いることを考えている。そのためにはグラフェンナノギャップ電極のヤップ幅をより小さくする必要がある。また有機分子をグラフェンの表面に修飾することによるメモリデバイスやバイオセンサ等の研究を進めていく予定である。
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Research Products
(8 results)