2017 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of molecular network devices based on molecular electron transfer
Project Area | Molecular Architectonics: Orchestration of Single Molecules for Novel Function |
Project/Area Number |
25110014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 卓也 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50229556)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | 分子エレクトロニクス / ネットワーク / 脳型デバイス / 単分子物性 / 確率共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
分子スケールエレクトロニクスを実現するには、現在のシリコンデバイスをそのまま単一分子に置き換えるのではなく、個々の分子が働きながらもネットワークとして協奏的に働く脳のようなシステムが必要である。本研究では、分子アーキテクトニクスの考え方に基づき、分子物質により脳類似機能を示す分子システムの構築を目指してきた。最終年度として、複数電極から分子ネットワークに信号を入力して、神経類似機能発現を目指した。 これまで研究を重ねてきたポリアニリン/金微粒子のネットワークを用いて研究を進めた。自己ドープ型ポリアニリンは、低温でごく少数分子レベルまで、オーミックな電気特性を示す。しかし、自己ドープ型ポリアニリンと金微粒子を組み合わせると、非線形性を持つ電気特性が得られることが分かった。ラマン分光により金微粒子と自己ドープ型ポリアニリンを組み合わせると、それぞれ単体では出現しないブロードなスペクトルが得られることがを見出した。金微粒子とポリアニリンの界面が支配する新しい物質相が出来ており、これが非線形電気特性を導いている可能性が高い。 このポリアニリン/金微粒子の系を用いてネットワークを形成し、複数の電極を接続した。複数電極のうち、任意の2つの電極を選び、電気特性を測定したところ、組み合わせにより、様々な特性が得られた。さらに、第三の電極を接続して電気特性を測定したところ、キルヒホッフの法則が成立していないことがわかった。すなわち、分子ネットワークが単なる回路網としてはたらいているのではなく、回路間の相互干渉により電気特性が変化していることを示している。そこで、二つの電極にパルス列を入力し、出力を観測したところ、スパイキングニューロンとしての動作が可能であることがわかった。以上の結果から、分子ネットワークが神経型の情報処理器機能を有することを示した。
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Research Progress Status |
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)