2016 Fiscal Year Annual Research Report
Imaging Super-massive Black Holes with Sparse Modeling
Project Area | Initiative for High-Dimensional Data-Driven Science through Deepening of Sparse Modeling |
Project/Area Number |
25120007
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
本間 希樹 国立天文台, 水沢VLBI観測所, 教授 (20332166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 太一 京都大学, 理学研究科, 助教 (20283591)
植村 誠 広島大学, 宇宙科学センター, 准教授 (50403514)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | ブラックホール / 電波天文学 / 干渉計 / イメージング / 疎性モデリング / サブミリ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、スパースモデリングの手法を電波干渉計のイメージング解析に適用して超解像技法を実現し、それを基にブラックホールの直接撮像を実現することを目指している。第4年次である本年度は、今後得られるEHT (Event Horizon Telescope)の観測データにスパースモデリングを適用する上で必要なツールやマニュアルの整備を進め、また実観測に近い条件で手法の評価を進めた。その成果として、l1ノルムとTV(Total Variation)を合わせた画像再構成法や、クロージャー位相を用いた電波干渉計の位相復元法を英文査読論文として出版した(計画研究B01-1班との共同研究)。また、EHT国際チーム内でイメージング手法を評価するImaging challengeに参加し、MEMやCHIRP等の別手法と同等以上の成績を残した。論文出版およびImaging challengeの結果によって、スパースモデリングによるイメージングの国際的な認知度は大きく向上したと考えられる。また、EHTによるブラックホール直接撮像に向けた重要な準備として、Sgr A*およびM87の観測提案をALMAなどに国際協力で提出し、無事に採択されて2017年4月に観測が行われることが決定した。 一方、京都大、広島大の研究者が中心となって、スパースモデリングの広範な天文学への応用も進めた。京都大では天体の光度曲線観測に関する研究を継続し、特異な挙動を持つ矮新星RZ LMiにLasso2次元周期解析を適用してネガティブスーパーハンプの信号検出に成功するなど、時系列データ解析におけるスパースモデリングの有効性を示した。また、広島大においては、ブレーザー天体の偏光を含んだ時系列データから特徴的な変動パターンを見つけるため、計画研究C01-4「可視化班」と共同してデータの可視化ツールを開発し、それに基づきいくつかの天体で新しい知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画で設定した3課題について達成を見ると、1つ目の課題であるスパースモデリングによるイメージング技法については、l1+TVを用いた手法やclosure位相を用いた非線形手法も完成し、さらには偏波イメージングも可能であることが示されている。また、イメージング手法に関する論文が英文査読誌に複数編出版されるなど、すでに十分なレベルで目的を達成している。また、2つ目の課題であるミリ波VLBIによるブラックホール観測の推進については、これまで国際協力で進めてきたALMAを含むEHT観測の2017年春からの開始が決定し、さらに国際チームで提案したSgr A*およびM87に関する観測提案がいずれも採択されるなど、2017年4月の観測に向けて準備が万端の状態である。また、3つ目の課題であるブラックホール研究についても、Sgr A*の電波写真における非対称構造の検出に論文を出版するなど、着実に進んでいる。さらに、昨年度の中間審査後に4つ目の課題として設定した「スパースモデリング天文学の開拓」についても、時間変動のLASSO解析やデータ可視化の研究などが本新学術領域の他の計画研究と共同で進められ、成果を出しつつある。これらの状況から、現在の達成度については「(2)おおむね順調に進展している」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年春にいよいよALMAを含むEHTのミリ波VLBI観測が開始されるため、次年度は実データによるブラックホール撮像解析を実行する。このため、次年度は国際支援経費等も活用しつつ、EHTの相関処理センターであるMITヘイスタック観測所や、EHTの中枢機関であるハーバード大BHI (Black Hole Initiative)などへ複数名が出張・滞在し、データ解析の実行と評価を進める。そして、本新学術領域の5年間の活動を締めくくるべく、ブラックホールシャドウの直接撮影に挑戦するとともに、画像解析に基づくブラックホールの物理パラメーター抽出も進め、巨大ブラックホール研究で世界的な成果を上げることを目指す。 また、並行してスパースモデリングのより広範な天文学分野へ応用する活動も継続し、京都大、広島大の研究者を中心に関連する研究をさらに推進する。また、計測モデリング班(B01-1)と協力して、天文学と統計学の分野融合的研究会も開催し、より多くの研究者を巻き込んだ研究展開を目指す。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Imaging the Schwarzschild-radius-scale Structure of M87 with the Event Horizon Telescope Using Sparse Modeling2017
Author(s)
Akiyama K., Kuramochi K., Ikeda S., Fish V., Tazaki F., Honma M., Doeleman S., Broderick A., Dexter J., Moscibrodzka M., Bouman K., Chael A., and Zaizen M.
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Journal Title
The Astrophysical Journal
Volume: 838
Pages: 1.1-13
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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