2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Homeostatic Regulation by Various Types of Cell Death |
Project/Area Number |
26110008
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安友 康二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (30333511)
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Project Period (FY) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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Keywords | 遺伝性疾患 / 細胞死 / 免疫疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では細胞死がその病態に関わる家族性疾患をモデルとして、その遺伝子変異がどのような分子基盤で細胞死誘導に依存した生体応答を惹起しているかについて解明することを目的とした。以下の研究を27年度に実施した。 1. 平成26年度には、血球貪食症候群の原因遺伝子であるFHL6のヒト変異と同様の部位に変異を持つFHL6ノックインマウスを樹立した。本マウスを用いて、免疫学的変化および細胞死に関わる分子・細胞貪食に関わる分子群の発現と機能を検討している。 2. 平成26年度までの研究によって、家族性寒冷蕁麻疹の新しい原因遺伝子としてNLRC4を同定した。変異NLRC4を過剰発現するトランスジェニックマウスでは関節炎や皮膚炎が観察され、血清IL-1bとともにIL-18の過剰産生が観察された。このトランスジェニックマウスの炎症応答にIL-1bとIL-18が関与しているかを知るために、IL-1bの欠損マウスを交配した。その結果、炎症応答は軽減したが、完全には炎症応答は消失しなかった。NLRC4の変異は血清IL-18の産生が極めて高いことが報告されている。そこで、IL-1b欠損マウスと共にIL-18欠損マウスを交配したマウスを作成して、IL-18がその炎症応答に関わるかについて検討することを計画した。現在、マウスの交配を行っているところであり、そのマウスは平成28年度の初頭に解析することが可能である。 3. NLRC4の活性を制御することが出来る分子経路を見いだすために、各種阻害剤を用いてNLRC4の活性を制御することが出来る阻害剤を検索した。その結果、3種類の阻害剤でNLRC4の活性を上昇させることができた。平成28年度にはその分子経路に関与する分子について詳細な解析を行う予定である。 4. NLRC4に結合する分子を同定するために、変異NLRC4を誘導性に発現することが可能なベクターを構築して、THP-1へ遺伝子導入を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各遺伝性疾患のモデルマウスを独自に樹立した。このモデルマウスを用いて、細胞死がどのように遺伝性疾患の病態と関連しているかについての解析を行っている。研究の進行は、当初に予定した研究計画に沿ったスケジュールで実施することができている。また、共同研究プロジェクトに関しても、各種細胞死関連マウスを用いた研究を順調に計画にそって実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
従来の計画に沿って、独自に樹立した遺伝性疾患のモデルマウスを用いた研究を行い、異常な細胞死がどのように免疫疾患の病態に関わるかを明らかにする。また、共同実験プロジェクトに関しても、各種細胞死関連マウスを用いた研究を領域内の共同研究によって実施する。
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Research Products
(1 results)