2014 Fiscal Year Annual Research Report
癌化・老化耐性ハダカデバネズミをモデルとした低酸素適応・代謝制御機構の探究
Project Area | Oxygen biology: a new criterion for integrated understanding of life |
Project/Area Number |
26111006
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三浦 恭子 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 講師 (80583062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南嶋 洋司 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (20593966)
杉浦 悠毅 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (30590202)
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Project Period (FY) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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Keywords | ハダカデバネズミ / 低酸素 / 低代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハダカデバネズミは、マウスと同等のサイズの齧歯類であるが、寿命が平均28年であり、いまだ腫瘍形成が見られたことが無いという老化耐性・がん化耐性の特徴を持つ。また、ハダカデバネズミは地中の低酸素(7%)と地上の通常酸素環境の両方に適応した齧歯類であり、32℃の低体温という特異な特徴を有している。本研究では、ハダカデバネズミの老化耐性・がん化耐性に関与すると考えられる低代謝の制御機構に着目し、解析を進めている。H26年度は、質量分析を用いて、線維芽細胞と各種臓器における網羅的代謝産物解析を行い、マウスとの種間比較を行った。結果、ハダカデバネズミとマウスで存在量が異なる多数の代謝産物を同定することが出来た。現在、どのような代謝産物がハダカデバネズミの老化耐性・がん化耐性に寄与しているのか、詳細な比較解析を進めているところである。 また、Flux analyzerを用いた解析の結果、線維芽細胞レベルでも、ハダカデバネズミはマウスと比べて非常に低代謝であることが判明した。今後、どの代謝経路が抑制されているのか、安定同位体標識グルコース等を用いた詳細な代謝解析を行う。さらに、ATP産生量や細胞増殖能等の表現型についても、マウスとの詳細な種間比較を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
質量分析により、マウスと比較してハダカデバネズミで発現が異なる代謝産物を多数同定することが出来た。また、Flux analyzerの解析により、ハダカデバネズミは細胞レベルで低代謝であることが確認できており、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
Flux analyzer・質量分析を用いて、特異な低代謝に寄与する代謝経路の同定を進める。 低酸素・通常酸素下での細胞の性状、ミトコンドリアでのATP産生等のフェノタイプについて、詳細に種間比較を進める。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Therapeutic hypothermia achieves neuroprotection via a decrease in acetylcholine with a concurrent increase in carnitine in the neonatal hypoxia-ischemia.2015
Author(s)
Takenouchi T, Sugiura Y, Morikawa T, Nakanishi T, Nagahata Y, Sugioka T, Honda K, Kubo A, Hishiki T, Matsuura T, Hoshino T, Takahashi T, Suematsu M, Kajimura M.
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Journal Title
J Cereb Blood Flow Metab.
Volume: -
Pages: 1-12
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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