2002 Fiscal Year Annual Research Report
果菜類の遺伝子発現や結実及び生長に対する植物生長調節物質の効果
Project/Area Number |
00F00330
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山木 昭平 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OFOSU?ANIM John 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | cDNAライブラリー / 着果 / 遺伝子発現 / mRNA / NAA / サブトラクション / 単為結果 / ピーマン |
Research Abstract |
本研究の目的は、ナス科果実(ピーマン)の結実を安定化するための基礎資料を得ることである。本年は受粉によって結実初期に特異的に発現する遺伝子をクローン化し、さらにそれらの遺伝子が上記ホルモンによっていかに発現調節されているかを検討し、植物ホルモンと遺伝子発現そして結実との関係を明らかにすることを計画し、次のような成果を得た。 1.ピーマン果実の初期生長の過程で受精によって特異的に発現する遺伝子を明らかにするために、開花後の花に受粉区、非受粉区、非受粉区+NAA処理区とを設け、それぞれの区から試料を調製し、液体窒素で凍結し、常道に従って全RNAを抽出した。 2.受粉後2日間生長させた子房のRNAをアフィニティーカラムなどを用いて精製しmRNAを調製した。そして受粉区及び非受粉区からのmRNAを用いてcDNAライブラリーを作り、サブトラクション法により得られたcDNAクローンを、次ぎにDNAマクロアレーによって1次選抜、2次選抜し、受粉によって特異的に発現してくる7個のEST遺伝子を単離した。 3.7個のEST遺伝子は、UDP-galactose-epimerase(Cymopsis tetragonolaba);Glycine-richi RNA-binding protein(Arabidopsis thaliana);Putative senescence-associated protein(Pisum s ativum);Embryonic flower 2 (Arabidopsis thaliana);Heat shock cognate protein(Lycopersic on esculentum);Chitinase(Solanum tuberosum);Histone H3(Masgomoeba balamuthi)である。 4.上記7個のEST遺伝子についてノーザンブロット解析によりその発現を詳細に検討したところ、Embryomic flower 2という花成の制御に関与する興味深い遺伝子が受粉により特に顕著に発現することを明らかにした。
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