2002 Fiscal Year Annual Research Report
正常ヒト皮膚および皮膚疾患における表皮細胞間接着構造の研究
Project/Area Number |
00F00345
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MCMILLAN James R. 北海道大学, 大学院・医学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 遺伝性皮膚疾患 / 表皮細胞間接着構造 / 免疫電顕法 / 分子生物学 |
Research Abstract |
今回の研究では現在まだ原因の分かっていない遺伝性皮膚疾患であるichthyosis follicularis with alopecia and photophobia (IFAP),とその類縁疾患であるhereditary mucoeiptherial dysplasia (HMD)に焦点をあてた。これらの疾患はいずれも,常染色体優性遺伝であり,表皮角化細胞間,あるいは,表皮真皮結合部の接着機構の異常があることが予測されているが,いまだ,迅速かつ確実な診断法がない疾患である。これら疾患についてその接着機構の異常を,蛍光抗体法や免疫電顕法を使って蛋白レベルで検討し,さらに分子生物学的手法で遺伝子レベルでの異常を明らかにすることを目的とし、平成14年度においては、罹患者の病変部の皮膚組織,罹患者の明らかな病変がない皮膚組織、および正常コントロールとなりうる健常者の皮膚組織を対象として、免疫電顕的検討を行った。すなわち、角化関連蛋白,および,表皮細胞間,表皮真皮結合部に存在する各種蛋白に対する抗体を用い、イムノゴールド・シルバー・エンハンスメント法による免疫電顕を施行,金コロイド粒子数の定量的解析により、病因となる蛋白の絞り込みを行った。この研究材料として用いた皮膚組織は本研究計画の平成13年中に準備したものである。さらに、可及的多数の患者、および患者家系内の健常者について、それらの病因である可能性のある蛋白をコードする遺伝子の遺伝子解析を行い、病因遺伝子変異を同定した。この遺伝子解析に用いたDNA材料は、本計画の平成13年度中に、家系内の罹患者ならびに健常者、および正常コントロール健常者100人以上の末梢白血球から抽出したものである。
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