2002 Fiscal Year Annual Research Report
植物二次代謝における配糖化反応の分子遺伝学的代謝工学
Project/Area Number |
00F00348
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
斉藤 和季 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授
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Keywords | フラボノイド / 配糖化酵素 / シロイヌナズナ / シスチンリアーゼ / 硫黄代謝 |
Research Abstract |
植物における二次代謝産物の生合成および代謝は、いくつかの基本的な炭素骨格の生合成に引き続き、水酸化や配糖化、アシル化などの修飾反応を経て行われる。これら修飾反応は、それぞれの植物に特有の二次代謝産物の最終蓄積パターンを決定しており、生物活性発現にも深く関わっている。本研究では、この植物二次代謝産物の配糖化酵素およびその他の代謝変換酵素を分子細胞生物学的に解明し、その知見に基づいた配糖化の分子遺伝学的な代謝工学を目的とした。 1.全ゲノム配列が明らかになったシロイヌナズナの想定フラボノイド配糖化酵素遺伝子を同定し、これらの組み換えタンパク質を発現させる無細胞系を確立した。 2.シロイヌナズナゲノムへのT-DNA挿入によって想定フラボノイド配糖化酵素遺伝子の発現が抑制された突然変異体を獲得した。 3.これらのin vitroとin vivoの解析結果から、シロイヌナズナゲノムに新規フラボノイドラムノース転移酵素と新規フラボノイドグルコース転移酵素遺伝子を同定できた。 4.さらに、シスチンを分解変換するシスチンリアーゼ候補遺伝子をシロイヌナズナから単離し、無細胞系でその形質発現を行って酵素学的諸性質を明らかにした。その結果、以前アミノ酸代謝酵素をコードすると考えられていた遺伝子は新規シスチンリアーゼであると結論づけた。
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[Publications] Patrik Jones, Tomohito Manabe, Motoko Awazuhara, Kazuki Saito: "A new member of plant CS-lyases -A cystine lyase from Arabidopsis thaliana"J. Biol. Chem.. (in press). (2003)