2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
00F00462
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Research Institution | The University of Tokyo |
Host Researcher |
浅見 泰司 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授
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Foreign Research Fellow |
ISTEK Ismail Cihangir 東京大学, 空間情報科学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | GIS(地理情報システム) / トルコとイスラム都市 / 空間構成 / 街路ネットワーク / 建築設計・計画 / 都市空間設計・計画 |
Research Abstract |
トルコではGISデータの利用自体が極めて新しく,今まで都市研究の分野では先駆的な研究となっている.さらに,現代のトルコ諸都市では空間的,社会的,経済的,文化的要因によって,その空間形態が大きく変容しつつある.しかし,それらの諸要因がそれぞれ空間的にどのように影響しているかを定量的に示された例はない.この研究の重要な目的は,これを適切に評価し,空間的なパターンを導出する手法を確立することであった. 今年度は、研究対象のトルコ・ブルサ市の現在の不動産情報,建物情報,建物利用データなどと2001年度に一部の解析が行った道路ネットワークデータとの分析を引き統き行った.そして、現在の都市データと1860年および1922年の都市データとを比較し、ブルサ市の約150年間に渡る都市化やその変化プロセッスをモデル化した。これにより,今後の都市開発事業を適正に評価し,その影響を定量的に示すことが可能となり,都市の拡大や再生事業におけるより厳密な事業評価手法を確立することができるようになった. そして、本研究との関連で、トルコで「ゲジェコンドゥ」と呼ばれる一夜で無造作に建てられてしまった住宅とその重合体について論文を書いた。都市計画という観点からは信じがたいこの「アドホック」な建て方は、現在のトルコの諸都市の都市化プロセスや都市構成を具体的に理解するために重要なヒントとなった。その結果は、現在のトルコの諸都市の姿は西欧のものともイスラム世界のものとも言えない。そして、伝統的なトルコ都市の特徴も失われてきた。都市の空間構成とその景観は、いろいろな文化の断片で構成されていて、統一的な理論で説明できるものではない。しかもこのような混沌さは、都市レベルから住宅一戸に至るまで様々な空間スケールで見られるのである.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] ジハンギリ イステッキ (Istek C.): "「ゲジェコンドゥ」:あそこに村がある・・・"トルコの都市文化(編集者:浅見泰司 出版:山川出版社). (予定). (2003)
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[Publications] Istek C.: "The Space Occupied by Marketplace and Their Societies in the Islamic World (with Particular Reference to Isfahan and Istanbul)"Islamic Area Studies with GIS (編集者:Okabe A.). (予定). (2003)
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[Publications] 浅見泰司, Kubat A.S., Istek C.: "Application of GIS to Network Analysis : Characterization of Traditional Turkish Urban Street Networks"Islamic Area Studies with GIS (編集者:Okabe A.). (予定). (2003)