2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
00F00732
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
常行 真司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOLM Bengt S. 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 電子状態計算 / 密度汎関数法 / 多体摂動論 / 電子相関 / 層状物質 |
Research Abstract |
1.近年、Ti-(Al/Si)-(C/N)系列(三元系層状化合物)の様々な化合物が合成されるようになった。この物質は高温高圧下で安定な伝導性物質として、基礎・応用両面で興味の持たれている物質である。昨年度のTi3SiC2に続き、今年度はTi4AlN3の弾性、光学特性、高圧下物性に関する計算結果をまとめ、論文として発表した。この理論研究に基づき、米国Drexel Universityから取り寄せた試料を大阪大学および岡山大学の共同研究者に送付し、それぞれ圧力依存性と光吸収スペクトルの実験を依頼しているところである。 2.多体摂動論の手法であるGW法のさまざまな近似レベルで、ジェリウム模型における電子対相関関数を計算し、その結果をモンテカルロ法など、高精度ではあるが計算時間がかかる手法の結果と比較検討して論文にまとめた。(論文投稿中) 3.固体における電子相関効果の理論的研究は、上記2の多体摂動論の他、ハバードモデルのようなモデルハミルトニアンの範囲で量子モンテカルロ法のようなきわめて精度の高い手法で研究が進められている。ところがモデルハミルトニアンのパラメータが実際の物質と比較して妥当な値であるか、あるいは現実系からモデルハミルトニアンへのマッピング自体が妥当なものであるかどうかといった基本的な問題は、未解決のまま残されているといって良い。一つの可能性として本研究では連続空間の電子状態計算法(たとえば密度汎関数法)からモデルハミルトニアンを構築する手法開発を目指して研究を行った。具体的にはCI法によってきわめて精密な計算が可能なベンゼン分子について、π電子系モデルハミルトニアンに対する近似解法(HF法、密度汎関数法)を連続系(第一原理ハミルトニアン)の全電子に対する同レベルの計算と比較することにより、モデルハミルトニアンのパラメータを決定する方法について検討した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Bengt Holm, Rajeev Ahuja, Sa Li, Boerje Johansson: "A theoretical study of the ternary layered compound Ti-Al-N"J.Appl.Phys.. 91. 9874 (2002)