2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
00F00760
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三上 幸一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JODRY Jonathan J 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ビフェニル、フェロセン配位子 / キラルティー制御、不斉触媒 / TroposなBIPHEP配位子 / BIPHEP-Cu(II)錯体 / 純粋な不斉触媒 |
Research Abstract |
触媒的不斉合成を基盤としたキラルテクノロジーでは、光学的に純粋な不斉触媒を用いることが常識とされている。当然のことながら、ラセミ触媒を用いるとラセミ生成物しか得られない。これに対して、我々はラセミ触媒に少量のキラルな活性化剤を加えることで、高い不斉収率を達成する"不斉活性化法"の概念を提唱している。しかしながら、通常のラセミ配位子を有するラセミ触媒を用いると2つのジアステレオマー錯体の生成は回避できないため、非常に限られた系にしかこの方法論は適用できない。この問題を克服するために、触媒的不斉合成に用いることさえなかった動的キラルな配位子を導入することを考案した。このラセミ触媒は動的平衡が存在するため、微量の外部不斉源によりその立体を自由自在に制御することが可能である。このように本申請研究では、ラセミ触媒のキラリティーを制御し、引き続く高エナンチオ選択的触媒反応を開発した。ラセミルテニウムおよびパラジウム触媒の不斉活性化法の知見に基づき、中心金属の異なる銅触媒まで不斉活性化の適応範囲を広げた。多点キラル制御された金属触媒を不斉触媒反応に用い、配位子と中心金属との関連性など、これまで得られた全ての知見をもとに、動的キラルなラセミ触媒を触媒量のキラル制御剤によって不斉触媒に変換した。さらに、この不斉触媒を用いて高エナンチオ選択的触媒反応の開発に成功した。以上、これまで触媒的不斉合成に用いることさえなかった動的キラルな配位子を導入し、微量の外部不斉源によりその立体を自由自在に制御することによりラセミ触媒のキラリティーを制御し、引き続く高エナンチオ選択的触媒反応の開発に成功した。
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[Publications] K.Mikami, K.Aikawa, Y.Yusa, J.J.Jodry, M.Yamanaka: "Ttanium 3,3' -Modified-Biphenolate Complexes Atropisomerrrically Controlled by TADDOLs : Novel Chiral Lewis Acid Catalysts for Asymmetric Methylation with Achiral Methyl-Titanium Reagent"Synlett. 11. 1889-1892 (2001)