2002 Fiscal Year Annual Research Report
金属制御自己集合による数ナノメートルサイズの多核フラ-レン集合体の生成
Project/Area Number |
00F00763
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 誠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOURGEOIS Jean?Pascal Daniel 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 自己集合 / 分子認識 / 超分子 / 包接 / 分子空間 |
Research Abstract |
本研究では、アニオン性ゲストをテンプレートとした自己集合により、新規な自己集合性かご状錯体の合成およびその構造解析に成功した。以下に、その結果の要旨を述べる。 ピリミジル基を有する直線状の4座配位子1とパラジウム錯体2の自己集合をアセトン溶液中、テトラブチルアンモニウム・BF_4(3)存在下で行ったところ、1成分の集合体が生成した。詳細なNMR解析およびCSI-MS測定により、その構造は、パラジウム錯体12個と直線体配位子6個からなる、巨大な正四面体構造4であることが明らかになった。興味深いことに、その内部空間には、テトラブチルアンモニウムイオンが1分子とBF_4が4分子取り込まれていた。最終的な構造は、X線結晶構造解析により明らかにした。この構造の注目すべき特徴は、プラス電荷のゲスト分子の周りをマイナス電荷のカウンターイオンが覆い、さらにその周りをプラス電荷のかご状錯体が覆う、いわゆるオニオン状構造から成ることである。このような特異な構造体は他に類を見ない。 さらにV字型の4座配位子5とパラジウム錯体2の自己集合では、BF_4^-やN0_3^-をテンプレートとして、小さなかご状錯体6が定量的に生成した。その構造は、各種NMRおよびX線結晶構造により明らかにした。結晶構造から、このかご状錯体内にはアニオンゲストを1分子取り込むのに最適な空間を有していることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)