2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
00F00791
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
香取 秀俊 東京大学, 工学部付属総合試験所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EICHLER Taro 東京大学, 工学部付属総合試験所, 外国人特別研究員
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Keywords | レーザー冷却 / 光格子 / FORT / 光結合分光 |
Research Abstract |
1."原子用エレベータ":移動光格子による極低温ストロンチウム(Sr)原子の操作 極低温Sr原子の精密操作は、量子計算機や原子干渉計などへの応用にとって重要となる。そのような実験においては、非常に高い原子の検出感度が必要であり、原子サンプルの近傍への光学的なアクセスが必要となる。従来の原子トラップ用真空槽では、このようなアクセスが困難であったので、この克服のためには、極低温原子生成領域と実験領域とを分離することが望ましい。我々は、以上の観点から、極低温原子の効率的な輸送技術について調べた。 本研究では、^1S_0^<-3>P_1のスピン禁制遷移による磁気光学トラップで、数反跳光子エネルギー程度まで冷却された、極低温Sr原子を得た。その後、冷却原子は、波長532nmの2本のレーザー光を対向させて得られる1次元光格子ポテンシャル(FORT)に移される。シンセサイザーによって位相同期させた音響光学素子(AOM)によって、両レーザー光の周波数を変化させることができる。両レーザー光周波数差を変化させることで、定在波の運動を制御できる。原子は定在波の静止系とともに運動するので、巨視的な距離を断熱的に輸送することができ、この様子をCCDカメラで観測した。 2.1次元光格子FORT中の実験:Srの光結合分光 光結合分光法は極低温衝突を調べるための強力な道具である。これにより、原子間の長距離(10-100Å)相互作用や、原子時計の衝突シフト、さらに、ボース・アインシュタイン凝縮体を得るのに不可欠な、低温衝突中の再熱分布化時定数を決定付ける散乱長aを求めることができる。 我々は、スピン禁制遷移冷却後の原子の位相空間密度をさらに増加させるためにFORT中に原子をトラップし、^1S_0^<-1>P_1遷移(461nm)の負に離調をつけたレーザー光の照射により、準分子状態を形成させた。まず、得られたスペクトルからこの遷移の幅として31.0(5)MHzを得た。さらに広い周波数幅をスキャンするために、Ti : Sapphレーザーの第2次高調波発生用の導波路付PPLN結晶を持ちいるシステムを構築中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Eichler, R.Muller-Siebert, D.Nettels, S.Kanorsky, A.Weis: "Optical Detection of Non-radiating Alkali Atoms in Solid ^4He"Physical Review Letters. 88. 123002-1 (2002)