2002 Fiscal Year Annual Research Report
一括補償型アクティブフィルタの高調波補償性能の向上と自律分散制御の提案
Project/Area Number |
00J00053
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
浜崎 真一 横浜国立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 高調波 / アクティブフィルタ / 一括補償 / LCフィルタ / 反共振 / 高調波拡大現象 / 外乱オブザーバ |
Research Abstract |
電源側電流検出のアクティブフィルタにより高調波補償を行う場合において,特に問題となるのは高調波除去用のLCフィルタが並列接続された時に発生する反共振現象である。電源電流検出方式で多く利用される比例制御によりアクティブフィルタを動作させた場合に,アクティブフィルタの動作によりアクティブフィルタ・LCフィルタ及び系統間に反共振が発生する。この反共振問題は,高調波拡大現象と呼ばれる,高調波が系統上でアクティブフィルタ設置以前より増加してしまう現象の一因となる。本研究では,電源側電流検出形アクティブフィルタとLCフィルタ並列接続時の反共振現象による高調波拡大現象について理論解析を行い,比例制御では反共振周波数が変化し,その周波数において高調波が増大する可能性があることを明らかにした。さらに,その問題を解決する一方式として外乱オブザーバを用いたアクティブフィルタの制御方式について研究を行った。外乱オブザーバによる制御は,高調波発生源の電流を推定し,補償するように制御する方式で,個別負荷電流検出方式と等価な動作をするため,反共振の影響を受けず良好に高調波補償を行うことができ,その結果,電源電流検出形アクティブフィルタによって発生する反共振による高調波拡大を抑制でき,かつ,他の高調波成分に対しても大きな補償効果を持つ。本研究では外乱オブザーバを適用したアクティブフィルタの制御方式についての理論と,その効果について検証し,提案する制御により,反共振による高調波拡大現象を抑制し,高調波補償性能が向上することをシミュレーションと三相の系統モデルによる実験の両面から確認し,その有効性を明らかにした。さらに外乱オブザーバのノミナル値の誤差によるロバスト性について検討し,ノミナル値の共振周波数に関わるパラメータの誤差によっては不安定になることを確認した。この問題を回避する対策として外乱オブザーバに改良を加え,それにより外乱オブザーバのロバスト安定性及び,高調波補償性能がさらに向上することを明らかにした。これらの結果により,提案するアクティブフィルタが自律分散的に安定動作し,かつ高い補償性能が得られることが確認された。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 浜崎真一, 河村篤男: "デッドビート制御によるアクティブフィルタの高性能電流制御"電気学会論文誌D. 122・8. 781-789 (2002)
-
[Publications] S.Hamasaki, A.Kawamura: "Improvement of Current Regulation of Line Current Detection type Active Filter based on Deadbeat Control"IEEE Transactions on Industry Applications. (掲載予定).
-
[Publications] S.Hamasaki, M.Cao, A.Kawamura: "Experimental Verification of Disturbance Observer based Line Current Detection type Active Filter for Load Resonance Suppression"IEEE Transactions on Industrial Electronics. (掲載予定).
-
[Publications] 浜崎真一, 河村篤男: "一括補償型アクティブフィルタの反共振現象の解析とその抑制手法"電気学会論文誌D. (掲載予定).