2002 Fiscal Year Annual Research Report
非線形離散方程式の可積分性判定テストと厳密解の構成法
Project/Area Number |
00J00320
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
丸野 健一 九州大学, 応用力学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | ソリトン / パンルベ性 / 双線形化法 / 特異点閉じ込め / パターン / 光ファイバー / レーザー |
Research Abstract |
可積分系のもつ特徴として、パンルベ性という性質が広く知られており、この性質を利用して可積分性を判定するテストとしてパンルベテストがある。差分方程式版のパンルベ性が特異点閉じ込めの性質であり、非線形差分方程式の可積分性を判定する方法として提案されたのが特異点閉じ込めテストである。パンルベ性、特異点閉じ込めの性質は、方程式の可積分性を判定することにのみ有効であるわけではなく、解の構成にも大きな威力を発揮することが、多くの研究によって示されている。本研究では、パンルベテスト、特異点閉じ込めテストの応用を試み、非線形方程式を解析することを目的としている。 今年度得た主な結果は以下のとおりである。 1.パターン形成などの分野で注目されているComplex Swift-Hohenberg方程式にパンルベテストを適用し、その結果を利用して多重線形形式に変換し、広田の方法によって厳密解を具体的に与えた。これは非線形光学などの物理において、大変重要な役割をすると考えられる。 2.Complex quintic Swift-Hohenberg方程式の非線形光学での応用を考え、様々な厳密解を導出した。また、厳密解を用いてエネルギーについての解析を行った。 3.新しい離散型非線形シュレーディンガー方程式を提案し、その厳密解と非線形写像について特異点閉じ込めテストを用いて解析した。この方程式は光現象を記述するものであり、今後、重要な役割をするものと予想される。 4.波長多重の光ソリトンを記述する結合型非線形シュレーディンガー方程式についての解析を行った。具体的には高次のソリトン解と呼ばれるものの導出を目指しているが、その準備として、非線形シュレーディンガー方程式の高次のソリトン解を双線形化法の立場から整理した。
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[Publications] Ken-ichi Maruno, Adrian Ankiewicz, Nail Akhmediev: "Exact Soliton Solutions for 1-dimensional Complex Swift-Hohenberg Equation"Physica D. 176,1-2. 44-66 (2003)
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[Publications] Adrian Ankiewicz, Ken-ichi Maruno, Nail Akhmediev: "Periodic and optical soliton solutions of the quintic complex Swift-Hohenberg equation"Physics Letters A. 308,5-6. 397-404 (2003)
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[Publications] Ken-ichi Maruno, Yasuhiro Ohta, Nalini Joshi: "Exact Localized Solutions of Quintic Discrete Nonlinear Schrodinger Equation"Physics Letters A. (印刷中). (2003)