2002 Fiscal Year Annual Research Report
トロポノイドアザマクロサイクルを基盤にした機能性分子の合成に関する研究
Project/Area Number |
00J00710
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 恵美 九州大学, 機能物質科学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | トロポノイド / アザマクロサイクル / 液晶 / キュービック(Cub)相 / 金属塩錯体液晶 / 偏光顕微鏡観察 / 粉末X線回析 / 示差走査熱量計 |
Research Abstract |
近年,筆者は7員環共役化合物とアザマクロサイクルを基盤にした機能性分子の開発をおこなっている。今回,トロポノイドアザマクロサイクルを液晶分子のコアに用いたN,N',N"-トリス(5-アルコキシトロポン-2-イル)-1,5,9-トリアザシクロドデカン,N-(5-アルコキシトロポン-2-イル)-1-アザ-15-クラウン-5エーテル及びN,N'-ビス(5-アルコキシトロポン-2-イル)-1,10-ジアザ-18-クラウン-6エーテルを合成し,その液晶性について評価した。 1,5,9-トリアザシクロドデカン誘導体はアルコキシ鎖の炭素数が12以上でキュービック(Cub)相を発現し,X線回折の結果から,空間群がPn3m,格子定数a=72.0Åのバイコンティニアスキュービック相であることがわかった。1,5,9-トリアザシクロドデカン誘導体がCub相を発現した理由としては,1)トロポン環と1,5,9-トリアザシクロドデカンの窒素原子の孤立電子対との共役によりコアが剛直となっていること,2)C3対称構造をしていること,3)トロポン環の有する大きな双極子モーメントを打ち消すように配列することなどが挙げられる。これまでにアザマクロサイクルを含む化合物がCub相を発現した報告例はなく,今回合成した1,5,9-トリアザシクロドデカン誘導体が初めての例である。 15-クラウン-5エーテル誘導体と18-クラウン-6エーテル誘導体は共に非液晶であったが,18-クラウン-6エーテル誘導体のナトリウム塩錯体は,中間相が発現していることを確認した。これらの結果は日本化学会第81回春季年会,19^<th> International Liquid Crystal Conference 2002, 2002年日本液晶学会討論会で報告した。
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Research Products
(1 results)