2002 Fiscal Year Annual Research Report
気孔孔辺細胞における14-3-3蛋白質の機能と青色光情報伝達の分子機構
Project/Area Number |
00J00744
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江見 崇 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 孔辺細胞 / PHOT / dynein light chain |
Research Abstract |
我々の研究室では最近、孔辺細胞の青色光情報伝達系の光受容体を同定した。この光受容体に続く情報伝達因子を明らかにするため、この光受容体をベイトとしてYeasttwo hybrid screeningを行った。約3500万クローンに対しスクリーニングを行い、24個のポジティブクローンを得たが、その中に真の陽性は存在しなかった。そこで、本年度はvfPHOT1をドメインごとに分けたベイトコンストラクトを作製し、ソラマメ孔辺細胞cDNAライブラリーに対し再スクリーニングを行った。 vfPHOT1を七つの断片に分けベイトコンストラクトを作製し、計5600万クローンに対しスクリーニングを行った。その結果、LOV1/2ドメインを用いたスクリーニングから9個のポジティブクローンを得た。また、LOV2-kinase domainを用いたスクリーニングでは、2個のポジティブクローンを得た。それらに対し、二次スクリーニングを行ったところ、LOV1/2ドメインを用いた場合に得られたクローン9個の中に、8個のポジティブクローンが確認された。シークエンスの結果、8個のクローンはいずれも同一の遺伝子であり、dynein light chainと相同性の高いことが分かった。以後、この遺伝子をvfDLCと名付けた。次に、このvfDLCとvfPHOTの結合部位の同定を行ったところ、vfDLCはvfPHOTのN末端の50aaのいずれかに結合していることが分かった。Yeast内では結合することが明らかとなったため、in vitroでの結合実験をFar Western blottingを用いて行った。その結果、vfDLCはvfPHOT1には結合するが、vfPHOT2,atPHOT1には結合しないことが分かった。ノーザンブロッティングにより発現部位を調べた結果、vfDLC,vfPHOT1ともに、孔辺細胞に多く発現していることが分かった。今後は、さらに詳しく解析を進めるため、形質転換体を作成していく予定である。
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