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2002 Fiscal Year Annual Research Report

疼痛ペプチド・ノシセプチンの高活性アゴニスト及びアンタゴニストの合成と受容体応答

Research Project

Project/Area Number 00J00790
Research InstitutionKyushu University
Research Fellow 岡田 一志  九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC1)
Keywordsオピオイド / ノシセプチン / ORL1受容体 / スーパーアゴニスト / 変位受容体 / 受容体化学
Research Abstract

痛み増強の神経ペプチドとして発見されたノシセプチン(FGGFTGARKSARKLANQ)は、ORL1受容体を介して記憶・学習といった脳機能にも抑制的に働くため、そのアンタゴニスト、あるいは高活性なアゴニスト、いわゆるスーパーアゴニストは「痛みの遮断薬」や「抗痴呆薬」として作用することが期待されている。本研究では、アナログ合成および変異受容体作製を通して、ノシセプチンのアゴニストおよびアンタゴニストの合成と受容体起動における受容体側の構造要因の解明を目的とした。
まず、昨年度報告したようにスーパーアゴニスト[Arg-Lys^<14-15>]ノシセプチンの受容体活性化における構造要因としてORL1受容体の第2細胞外ループ(EL2:QVEDEEIECLVEIPTPQDYW)上の酸性アミノ酸206位Aspおよび芳香族アミノ酸207位Tyrを同定した。一方、EL2上の208位Trp(W)のAla変異体と第5膜貫通ヘリックス(TM5:GPVFAICIFLFSFIIPVLIISVCYS)上の212位Phe(F)のAla変異体を作製したところ、驚くべきことに、これらの変異体は野生型と同程度のリガンド結合特性を保持しながらも、生物活性を全く示さいことが判明した。
本年度は、この不活性化ついて詳細に調べるため、TM5上の他の芳香族アミノ酸Phe(F)をAlaに置換した変異受容体を作製した。その結果、膜貫通ヘリックス内部に存在する217位Pheや219位PheをAlaに置換した場合では、野生型と同傾向のリガンド結合特性と生物活性を示した。以上の結果から、ORL1受容体のEL2C端側からTM5細胞外側にかけて存在する芳香族アミノ酸重層構造において、208位Trpおよびそれに近接する212位Phe残基が瞬調して受容体起動に直接特異的に関与することが明らかとなった。このような基の発見はこれまで例がない。
また、既知アンタゴニスト・Ac-RYYRIK-NH_2のN端Ac基をAda、(アダマンチル)基に置き換えたアナログが、高結合性でありながら高濃度でも受容体活性化を全く引き起こさなくなることを見出した。以上のように、本研究では、変異受容体作製によりリガンド結合部位の同定や受容体活性化に関わる残基の同定に成功し、また、ノシセプチンのスーパーアゴニストおよびアンタゴニストの合成に成就した。

Research Products

(3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] 岡田 一志: "Identification of Receptor Residues Functioning for Activation of ORL1 Nociceptin Receptor by Site-directed Mutageneses"Peptide Science 2002. (in press). (2003)

  • [Publications] 河野 道昭: "The Attempt to Identify the Binding Sites of Nociceptin Antagonist Ac-RYYRIK-NH_2 in ORL1 Receptor"Peptide Science 2002. (in press). (2003)

  • [Publications] 河野 道昭: "Structural Requirements of Nociceptin Antagonist Ac-RYYRIK-NH_2 for Receptor Binding"Journal of Peptide Science. 8. 561-569 (2002)

URL: 

Published: 2004-03-25   Modified: 2016-04-21  

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