2002 Fiscal Year Annual Research Report
アラビドプシス葉緑体包膜における蛋白質輸送装置の分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
00J01871
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
菊地 真吾 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 葉緑体 / 蛋白質輸送 / アラビドプシス / プラスチド |
Research Abstract |
高等植物葉緑体を構成する蛋白質の大部分は核ゲノムにコードされており、サイトゾルで葉緑体行きの局在化シグナルが付加された前駆体として合成されたのち、葉緑体へ輸送される。この輸送には葉緑体外包膜および内包膜に存在する蛋白質輸送装置、Toc、Tic複合体が関与している。私はこれまでの解析により、エンドウおよびアラビドプシスにおいてToc複合体はBlue-Native電気泳動により分子サイズ700-800Kに泳動される位置に、Toc34 (Toc33), Toc75, Toc159のいずれをも含むバンドとして検出されることを明らかにした。 本年度は、これらTocコンポーネントによる複合体構築様式を明らかにするため、まず、エンドウ葉緑体における各コンポーネントの存在量の算出を行い、その存在比を見積もったところ、Toc159:Tbc75:Toc34の比は1:4:6となった。これらを足すと663kDaとなり、Blue-Native電気泳動で求めた分子サイズに比較的近いことがわかった。さらに、無傷葉緑体を外包膜の外側からプロテアーゼ消化することによりToc複合体の限定分解をおこない、ジギトニンあるいはTriton X-100を用いて可溶化し解析したところ、Toc複合体は段階的に分子サイズを下げ、コアを形成すると考えられる複合体が観察された。また、それに伴いTocコンポーネントの部分的な解離が起こることもわかった。
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