2002 Fiscal Year Annual Research Report
木材加工面粗さの三次元的評価と粗滑感に対応した評価法の開発
Project/Area Number |
00J03562
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 裕子 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 三次元粗さパラメータ / 触覚 / ロバストガウシアンフィルタ / 有限要素法 |
Research Abstract |
木材表面の加工品質は,加工現場においては人間の視覚や触覚によって評価される。触覚を用いる場合は,表面に触れたときの「つるつる」「ざらざら」感に基づいて評価する。触覚による主観的な評価を数値化する際には以下の2点を考慮してパラメータを構築する必要がある:1.指と物体とは面接触している,2.触感形成に寄与する凹凸のみを評価の対象にする。今年度はまず2.について,一定面積内の凹凸の高さや分布を表わす三次元粗さパラメータと触覚との対応を検討した。評価の対象とする凹凸の波長や高さを変えて触覚との対応を調べた結果,凹凸の波長が2.5-16.0mm以下,高さが10-15μmのときに触覚との対応が最もよくなることを示した。また一定の波長成分を抽出するために用いたロバストガウシアンフィルタについては,木材加工面の評価に最適となるフィルタ処理の条件を明らかにした。さらに1.および2.について,触感形成に寄与する凹凸を明らかにするために,有限要素法を用いて指と木材表面の接触状態のシミュレーションをおこない指が木材と接触した際に生じる変形や応力の状態を調べた。指モデルは表皮,真皮,皮下脂肪組織の物性を考慮した三層構造とし,木材モデルは指との接触面が種々の形状(平坦、段差、突起、溝等)となるよう作成した。解析は皮膚組織の弾性定数,指と木材の摩擦係数,木材に与える強制変位パターン,木材表面の起伏状態の組み合わせを変えておこなった。木材モデルの接触面形状が平坦で指が接触面に対して法線方向に移動して接触した場合,モデルが左右対称で,対称軸上に変位を与えたため,変形も左右対称に発生し,せん断応力は殆ど発生しない。指の上端部付近の要素は板との接触によってXYの2方向ともに圧縮を受けた。この応力は触覚受容器が分布する指表面から内部に向かって急激に減少し,深さが2mm程度になると殆どみられなくなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Fujiwara, Y.: "Effect of the Removal of Deep Valleys on the Evaluation of Machined Surfaces of Wood"Forest Products Journal. 53(2). 58-62 (2003)
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[Publications] Fujiwara, Y.: "Assessment of wood surface roughness : a comparison between tactile roughness and three-dimensional parameters derived using a robust Gaussian regression filter"Journal of Wood Science. (in printing).