2002 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性ホモオキサカリックス[3]アレン誘導体の合成と機能
Project/Area Number |
00J03646
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大坪 忠宗 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ホモオキサカリックス[3]アレーン / 官能基変換 / 分子認識 |
Research Abstract |
ホモオカサカリックス[3]アレーンのフェノール性水酸基を無保護のままアッパーリム上の官能基を変換する方法は報告されていない。しかし、アッパーリムの官能基変換法は、機能性ホモオカサカリックス[3]アレーン誘導体の効率的合成を行うために必要不可欠である。アッパーリム官能基変換を施すに当たって鍵となる化合物はアッパーリム無置換のホモオカサカリックス[3]アレーンである。しかし、このアッパーリム無置換体は過去に報告されたいる方法では合成困難であった。そこで、フェノール性水酸基のパラ位を臭素化して反応点を塞いだホモオカサカリックス[3]アレーンを合成し、3つのジベンジルエーテル結合存在下、ホモオカサカリックス[3]アレーン骨格を損なうことなく臭素のみを選択的に除去する方法を開発た。さらに、フェノール性水酸基のパラ位が無置換の化合物を出発原料として、マンニッヒ反応を鍵反応とする種々の官能基をアッパーリムに導入する方法を開発した。また、発色団としてニトロ基を有するホモオカサカリックス[3]アレーンの合成を目的としてフリーデルクラフト反応を用いる直接ニトロ化も試みたが収率は15%程度であった。 前述の通りニトロ化の収率は極めて悪いものであり、合成に多段階を要するアッパーリム無置換体から変換する効率が悪く大量合成には不向きであった。しかしニトロ基は発色団として機能するだけでなく、還元後種々の官能基を導入した機能性分子合成の鍵となる中間体であると考えられる。そこで、ニトロ基をもつホモオカサカリックス[3]アレーンの効率的な合成法を開発した。さらにニトロホモオカサカリックス[3]アレーンから誘導されるニトロフェノール型ホストを合成して、n-ヘキシルアミンとの溶液中における会合をNMR解析した。その結果、ホスト・アミン複合体中のホストはお椀型をしていること、複合体中のアミンはお椀型をしたホストの中に入っていることを明らかとした。
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Research Products
(1 results)