2002 Fiscal Year Annual Research Report
芳香環上へのポジトロン核種導入に向けた高速化学反応の開発と新規PETトレーサー合成
Project/Area Number |
00J03961
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
土居 久志 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | PET / プロスタサイクリン / IP_2受容体 / 15R-TIC / Rhoキナーゼ阻害剤 / 脳内分子イメージング |
Research Abstract |
これまでに、中枢神経応答性プロスタグランジン(PG)類の基本骨格中への短寿命放射核^<11>C(半減期20分)の導入を目的に、その基本反応となるヨウ化メチルと芳香環スズ化合物との選択的高速メチル化反応を開発した。これを応用して、^<11>C標識トリルイソカルバサイクリン(TIC)誘導体(15R-[^<11>C]TICメチルエステル)の合成に成功し、in vivoにおける赤毛ザルの脳内PETにおける中枢型プロスタサイクリン(PGI_2)受容体(IP_2)の画像化にも成功した。さらに、改良法(2段階操作法)の考案により総放射能量2.5GBの[^<11>C]標識体の合成を達成し、念願のヒト脳内のPGI_2受容体の分子画像化を実現した。本研究では、本PETトレーサーの脳機能疾患患者への活用のために引き続き超GBqの[^<11>C]標識TIC誘導体の合成を行うとともに、新たなPET用標識化合物の合成およびそのための方法論の確立を目指した。その結果、IP_2受容体と脳高次機能との関係の解明に向けたPET研究の推進に必要な超GBqの[^<11>C]標識TIC誘導体の高再現性合成プロセスの確立に成功した。さらに、本研究指導者である鈴木らのグループにより行われている脳血管れん縮治療薬をリード化合物とし、高選択的Rhoキナーゼ阻害剤としての機能が発見されたイソキノリンスルホナミド系化合物H-1152の脳内動態解析のための[^<11>C]標識PETトレーサー化に向けた研究に関連して、実際のPET条件下でヨウ化[^<11>C]メチルとイソキノリンスズ化合物とのモデル反応の検討を行った。その結果、目的とする[^<11>C]メチルイソキノリンの生成を確認した。今後、収率の向上のための条件検討を行い実際の[^<11>C]標識H-1152の合成を検討するとともに脳内分子イメージング研究を行う予定である。
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Research Products
(1 results)