2002 Fiscal Year Annual Research Report
ジャガイモ植物の感染防御応答の開始反応に関わる酵素系の分子基盤とその制御機構
Project/Area Number |
00J04312
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 新平 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ジャガイモ植物 / 病害ストレス / 情報伝達 / MAPキナーゼ / リン酸化 / エリシター |
Research Abstract |
ジャガイモ塊茎を疫病菌菌体壁成分エリシターで処理するとMAPキナーゼStMPK1が活性化される。StMPK1の機能解析の一端として、StMPK1によりin vitroでリン酸化されるタンパク質PPS(protein phosphorylated by StMPK1 in vitro)1〜7をin vitro expression cloning法によりジャガイモ塊茎cDNAライブラリーより同定した。得られたPPS遺伝子の機能を明らかにするため、PVXとN. benthamianaを用いたRNAサイレンシングを行った。N. benthamianaのPPSホモログ(NbPPS1〜7)のcDNA断片をPCRにより増幅し塩基配列を決定したところ、得られたホモログはそれぞれ75-94%の同一性を示した。得られたcDNA断片をPVXベクターにクローニングした(PVX::NbPPS1〜7)。各インサートを持つPVXをアグロバクテリウムを介してN. benthamianaに感染させたところ、PVX::NbPPS4感染植物は頂芽優性が失われ、PVX::NbPPS7が感染した植物はわい化した。PVX感染4週間後の上位葉に、StMPK1上流のMAPキナーゼキナーゼの恒常的活性型変異体であるStMEK1^<DD>を一過的に発現させ、各遺伝子のサイレンシングがStMEK1^<DD>により誘導される抵抗反応におよぼす影響を調べた。その結果、PVX::NbPPS3感染植物においてStMEK1^<DD>により誘導されるHR様の組織の褐変化が遅延した。この結果、PPS3がStMPK1の生理的な基質であるという考えを支持する。
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Research Products
(1 results)