2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
00J05309
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮川 和子 筑波大学, 応用生物化学系, 特別研究員(PD)
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Keywords | FGF / 分泌 / PCRミュータジェネシス |
Research Abstract |
Fibroblast growth factor(繊維芽細胞増殖因子/FGF)は、生体内の恒常性維持に関与する情報伝達物質の1つであるが、その名前が表している細胞の増殖促進だけでなく、細胞の分化や生存維持など広範囲に活性を持つことが知られている。FGFは分泌の点で、分泌シグナルを持たず細胞内に多く発現が認められ細胞内作用を持つと考えられるものと、分泌シグナルを持ち既知の分泌機構を経て分泌され細胞外からの作用を担っていると考えられるものが存在する。これまでに私は、FGFファミリーの中でもFGF-9は既知の分泌蛋白質と異なり、分泌の際に切断を伴わない分泌蛋白質であることを示し、この分泌に必要な非切断型の分泌シグナルとして機能する領域及び、その分泌経路を明らかにしてきた。本年度では、データベースを検索した結果その1次構造から、FGF-9と同様な分泌機構を持つと予測されるFGF-16蛋白質の分泌機構を解析した。このFGF-16蛋白質の分泌機構について、PCRミュータジェネシスなどの分子生物学的手法を用いて作製した変異体を使って、この特異な分泌に必要な領域およびその機構についての解析を行った。その結果、FGF-9蛋白質と同様、小胞体・ゴルジの経路で細胞外に分泌されていることが明らかとなった。FGF-16の種々の変異体について解析した結果、この分泌には中央部分に存在する疎水性の高い領域とN末端領域の両方が必要であることが分かった。この2つの領域は、それぞれ独立して認識され小胞体膜透過において分泌マシナリーによりFGF-16蛋白質の分泌に必要なシグナルとして働くことが示唆された。
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