2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
00J05349
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Research Institution | University of Tsukuba |
Research Fellow |
小山 聡子 筑波大学, 歴史・人類学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 童子信仰 / 護法童子 / 末法思想 / 仏教 / 阿弥陀信仰 / 浄土信仰 / 源信 / 往生要素 |
Research Abstract |
1、末法の世における信仰の実態を論究した論文「末法の世における穢れとその克服-童子信仰の成立-」(今井雅晴編『中世仏教の展開とその基盤』大蔵出版、2002年7月)を出した。本論文を執筆するにあたっては、奈良県桜井市談山神社などで調査を行なった。 2、2002年11月に国文学研究資料館が開催した第26回国際日本文学研究集会で「祭礼行列における童子の職掌-中世前期を中心として-」という題名で口頭発表をした。本発表は、佐賀県と京都府の寺院での調査をもとに行なったものである。宗教界の童子と俗世界の童子がいかに密接に結びついていたかを論証した。発表の内容は、すでに「祭礼行列における童子の職掌-中世前期を中心として-」(国文学研究資料館編『第26回国際日本文学研究集会会議録』国文学研究資料館、2003年3月発行予定)という題名の論文を完成しており、現在印刷中である。 3、「日本仏教の歴史-スロヴェニア・リュブリャーナ大学での授業への期待-」(今井雅晴編『日本文化と国際交流』筑波大学第2学群日本語・日本文化学類、2003年3月発行予定)を執筆した。本論文は、和歌山県の熊野地方での調査をもとに、日本における仏教の歴史的意義について論究したものである。 4、親鸞の他力念仏と門弟の信仰の実態について論じた論文「親鸞の他力念仏と門弟の信仰」を『日本歴史』に投稿し、2003年7月号に掲載予定である。先行研究では、親鸞の信仰と門弟の信仰がかけ離れていることばかりが強調されてきた。しかし親鸞の信仰は、必ずしも一貫したものではなく、門弟の信仰と似通っている部分も多いのである。この点を明らかにした。 5、和歌山県における熊野信仰の調査を行なった。それらの調査をもとに、中世における熊野詣の実態について論究する論文を完成させつつある。本論文は、『日本史研究』に近日中に投稿する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 小山 聡子: "末法の世における穢れとその克服-童子信仰の成立-"今井雅晴編『中世仏教の展開とその基盤』. 256-280 (2002)
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[Publications] 小山 聡子: "祭礼行列における童子の職掌-中世前期を中心として-"国文学研究資料館編『第26回国際日本文学研究集会会議録』. (2003)
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[Publications] 小山 聡子: "日本仏教の歴史-スロヴェニア・リュブリャーナ大学での授業への期待-"今井雅晴編『日本文化と国際交流』. (2003)
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[Publications] 小山 聡子: "親鸞の他力念仏と門弟の信仰"日本歴史. (2003)