2002 Fiscal Year Annual Research Report
NKT細胞抗原受容体Vα14遺伝子再構成のメカニズムとNKT細胞前駆細胞の分化
Project/Area Number |
00J06422
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小池 順造 千葉大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | NK細胞 / NKT細胞 / NK receptor / NKG2I / allorecognition |
Research Abstract |
昨年度までに得られたNKG2I(本年度よりJ-03をあらたにこのように命名した)ノックアウト/GFPノックインマウス及び抗NKG2Iモノクローナル抗体を用いて、新規NKレセプターNKG2Iの機能について詳細な解析を行った。 Flow cytometryによる解析から、NKG2IはNK細胞の約80%に発現しており、thymus Vα14 NKT細胞の約20%に発現していたが、末梢においてはVα14 NKT細胞上の発現は消失していた。またT細胞には発現は見られなかった。免疫沈降の結果からNKG2IはS-S結合によりダイマーを形成していることが明らかとなった。IL-2あるいはIL-12存在下にてNK細胞表面上のNKG2IをクロスリンクすることによりIFNγ産生が誘導された。一方、抗NKG2I抗体はB6のNK細胞のBALB/c Con A blastに対する細胞障害活性を抑制し、放射線照射したB6 mouseに移植したBALB/c骨髄細胞の生着を促進した。 NKG2I KOマウスにおいてはNK細胞、NKT細胞の数その他に著明な変化は認められず、これらの細胞の分化に必須な分子ではないと考えられた。NKG2I KOマウスのNK cellによるallogenic Con A blastに対する細胞障害活性はwild typeマウスと比較して著しく低く、放射線照射したmouseに移植したBALB/c骨髄細胞の生着が著しく促進した。 以上の結果から、NKG2Iは新規の活性化NKレセプターで、Ly-49やCD94と同様にNK細胞のallorecognitionに関与していると考えられた。
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