2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
00J06593
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Research Fellow |
山本 幸枝 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 薄膜太陽電池 / 単結晶シリコン薄膜 / 表面再結合速度 / 反射防止膜 |
Research Abstract |
(1)単結晶シリコンの薄膜成長 単結晶シリコン薄膜成長には化学的気相堆積(CVD)法を用いた。成長温度1050℃において成長速度は、常圧CVD法では28μm/hであり、一方、減圧CVD法では3μm/hであった。両成長方法において、結晶性に有意差が見られなかったことより、短時間で成膜可能な常圧CVD法が有効であると考え、太陽電池素子作製には常圧CVD法を用いた。 (2)プラズマCVD法で堆積したシリコン窒化膜の表面パッシベーション特性 太陽電池の表面パッシベーション膜として、プラズマCVD(PCVD)法で形成したシリコン窒化膜を用いた。太陽電池表面にシリコン窒化膜を堆積することで、短波長域での分光感度特性の向上がみられた。表面再結合速度としては、堆積前2.5×10^4cm/secから堆積後4.6×10^3cm/secに約80%低減した。低抵抗シリコン基板上に作製した厚さ約10μmの単結晶シリコン薄膜太陽電池特性は、変換効率11.0%(J_<sc>=26.3mA/cm^2、V_<oc>=609mV、FF=69%)であった。また、反射防止膜特性としては波長400-1100nmで平均反射率11%(最低反射率1.3%)まで低減でき、電流の増加率としては1.5倍であった。今回、PCVD法で堆積したシリコン窒化膜は薄膜太陽電池の表面パッシベーション、反射防止膜に有用であると結論付ける。 (3)単結晶シリコン薄膜太陽電池の作製・評価 引き剥がし後の素子構造を仮定し、SOI(Silicon-on-Insulator)基板上に厚さ20μmの単結晶シリコン薄膜太陽電池を作製した。素子特性としては変換効率6.4%(J_<sc>=24.0mA/cm^2、V_<ox>=468mV、FF=58%)であった。V_<oc>、FFが小さいことより、さらなる結晶性の向上並びに素子構造最適化が必要である。 以上、3年間の研究成果を学位論文としてまとめた。
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Research Products
(1 results)