2002 Fiscal Year Annual Research Report
分散協調設計環境のための設計対象の多重解像度表現とその応用
Project/Area Number |
00J07179
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊達 宏昭 北海道大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員-DC1
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Keywords | 三角形メッシュモデル / 多重解像度表現 / 有限要素解析 / 詳細フィーチャ / メッシュ品質 / 干渉判定 / 適応的解像度制御 |
Research Abstract |
本研究では,三角形メッシュモデルの多重解像度表現に基づく有限要素解析・干渉判定処理の効率化に関する研究を行い,以下の成果を得た. 1 有限要素解析のための多重解像度メッシュ生成 設計形状の強度評価のための有限要素解析では,解析処理の効率化のために,形状の詳細フィーチャが選択的に除去され,低い解像度,高いメッシュ品質を持つメッシュモデルが要求される.本研究では,これらの要求事項を満足するため,形状の高周波成分を詳細フィーチャとみなし,メッシュモデルのフィルタリングにより得られる局所パワースペクトルと,メッシュ品質を決定付ける要素歪・頂点価数の評価に基づいてメッシュ低解像度化順序を決定し,元形状,又は,フィルタリング後の形状を近似しながらメッシュを低解像度化することにより,詳細フィーチャが選択的に除去・保存されたメッシュ品質の高い低解像度メッシュを得られる多重解像度表現生成法を開発した.以上の成果より,高密度三角形メッシュモデルからの,有限要素解析に適した解像度・性質を持つメッシュモデル生成が可能となった. 2 干渉判定のための多重解像度メッシュ生成 本研究では,昨年度開発した干渉判定用多重解像度表現より得られる低解像度メッシュを,初期干渉可能性検出に用い,その検出結果に従って,干渉個所を絞り込んだ効率の良い干渉判定処理を実現するため,多重解像度表現におけるメッシュ階層性の2分木表現に基づく,干渉検出個所近傍のみを高解像度化する適応的解像度制御法を開発した.また,提案法における更なる干渉判定処理効率化のために,干渉可能性の低い形状の凹部分や小面分から成る部分を優先的に,かつ,線形計画法に基づいて形状膨張(干渉過大評価量)を最小化するメッシュ低解像度化を実現した.以上の成果より,干渉個所の絞り込み,処理速度・精度制御が可能な,三角形メッシュモデルを用いた効率の良い干渉判定処理が可能となった.
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[Publications] 伊達 宏昭: "パラメタライゼーションを用いた表面詳細合成形状の三角形メッシュモデリング"精密工学会誌. 69.4(掲載決定). (2003)
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[Publications] 伊達 宏昭: "表面詳細合成形状の意匠設計用メッシュモデリング-メッシュモデルの表面詳細抽出と合成-"第20回設計シンポジウム 講演論文集. 32-38 (2002)
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[Publications] 伊達 宏昭: "干渉判定用多重解像度メッシュモデル生成に関する研究-局所解像度制御と干渉判定処理への適用-"FIT2002 情報科学技術フォーラム 一般講演論文集. 3. 263-264 (2002)
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[Publications] 伊達 宏昭: "干渉判定用多重解像度メッシュ生成に関する研究-メッシュ品質を考慮した低解像度メッシュ生成-"情報処理学会 第65回全国大会. (発表予定). (2003)
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[Publications] 伊達 宏昭: "フィルタリングを用いた表面詳細を含むメッシュモデルの多重解像度化"2002年度精密工学会秋季全国大会学術講演会講演論文集. 5 (2002)
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[Publications] 伊達 宏昭: "表面詳細を含むメッシュモデルの多重解像度表現化-メッシュ品質の改善とFEMへの応用-"2003年度精密工学会春季全国大会学術講演会. (発表予定).