2002 Fiscal Year Annual Research Report
近世の文学と絵画の関係性-「名所図会」本と絵入本の挿絵の研究-
Project/Area Number |
00J10796
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
西野 由紀 龍谷大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 日本近世文学 / 日本近世文化史 / 日本近世絵画史 / 地域文化学 / 地域物産学 / カルチュラルスタディーズ |
Research Abstract |
本年度は、『短歌文芸 あけぼの』の誌上において[日本図像解釈学研究]と題した小論文を二本、発表している。これは「名所図会」本における挿絵解釈方法をさらに深化させたもの(現在、図像解釈学=イコノロジー)といった観点にたった論考は多くあるものの、こと日本に於いてはその殆どが図像学=イコノグラフィーの視点に立つものであり、図像解釈学にまで踏み込んだものではないといえる)である。 また、京都ホテルオークラ配布の『きょうと』誌上に於いて「近世京都人物志」のシリーズ(十景「伏見稲荷と伴蒿蹊」・十一景「伏見の桃と橘南谿」)を連載した。これは「名所図会」本が出版されたのと同時代もしくはそれ以降の、京都に深く関係した文人たちの交流について考察したものである。 一方、「名所図会」本の今日的利用のひとつとして、現代では目にすることができなくなってしまった名所・祭礼・名物を復活させることが挙げられよう。このことについては「地域物産学研究会」を立ち上げ、その中のひとつ「団扇文化研究会」の成果として「深草うちは」の製作・考証・展示をおこなった。これは「名所図会」本の挿絵に彩色を施し、京丸団扇の流れのひとつである深草団扇に張り付けたもので、京都ホテルオークラのギャラリーにおいて展示した。歴史的資料の今日的利用の手法の成果として、他に例を見ない試みでありその意味において有意義な研究成果であるといえる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 西野 由紀: "大和大路最初の橘"短歌文藝・日本文化 あけぼの. 35-2. 12-13 (2002)
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[Publications] 西野 由紀: "「見る」ことの意味"短歌文藝・日本文化 あけぼの. 35-3. 14-15 (2002)
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[Publications] 西野 由紀: "伏見稲荷と伴蒿蹊"きょうと. 35. 9-10 (2002)
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[Publications] 西野 由紀: "伏見の桃と橘南谿"きょうと. 36. 9-10 (2003)