2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
00J60304
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
山口 弘毅 福山大学, 生命工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 枯草菌 / マイクロアレー解析 / トランスクリプトーム / 炭素代謝 / 窒素代謝 / アミノ酸生合成 / フィードバック制御 |
Research Abstract |
枯草菌を構成する全遺伝子の機能と発現制御ネットワークを明らかにするために、DNAマイクロアレー技術を利用したトランスクリプトーム解析を行ってきた。本年度は、様々に栄養条件が変化したときに見られる遺伝子発現変動に注目しDNA,マイクロアレー解析を行った。そして、炭素、窒素代謝及びアミノ酸生合成のフィードバック制御の解析において、以下に示す知見を得ることができた。 1.枯草菌が利用可能な炭素源の中14種類について解析した結果、各炭素源に依存してPTS輸送系遺伝子群や代謝に必要な様々の遺伝子群が抽出された。また、特定の炭素代謝と結び付けられてなかった遺伝子群も抽出され、炭素代謝への関与が示唆された。 2.枯草菌の窒素代謝制御因子であるGlnA、TnrA、GlnRおよびCodYに注目し、野生株と制御蛋白質遺伝子の変異株のトランスクリプトームを解析した。その結果、これら4種類の制御因子間には密接な関連があることがわかった。また、上流制御因子であるGhAに依存しない制御系の存在が示唆された。 3.蛋白質合成に必要な20種類のアミノ酸生合成系の発現制御系をDNAマイクロアレーで解析したところ、アルギニンなど6種類のアミノ酸の生合成遺伝子はフィードバック制御されると判った。また、メチオニン、アルギニンとシステインでフィードバック制御される機能未知遺伝子を発見し、アミノ酸生合成やアミノ酸の細胞内への取り込みへの関与が示唆された。 残り1ヶ月を残して「枯草菌転写制御ネットワークのマイクロアレー解析」を終了することになったが、これまでに枯草菌の74種類の転写因子の変異株と'65種類の培養条件を用いてに、DNAチップ200枚以上のデークを蓄積することができた。そして、様々な機能未知遺伝子の機能を推定すると共に、転写制御因子間における相互作用についても考察することができた。このように、当初の目的をほぼ達成することができ本研究を終了することができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ogura, et al.: "Whole-genome analysis of genes regulated by the Bacillus subtitis competence transcription factor ComK"Journal of Bacteriology. 184巻9号. 2344-2351 (2002)
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[Publications] Molle, et al.: "Additional targets of the Bacillus subtilis global regulator CodY identified by chromatin immunoprecipitation and geneome-wide transcript analysis"Journal of Bacteriology. (印刷中). (2003)
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[Publications] Asai, et al.: "DNA microarray analysis of Bacillus subtilis sigma factors of extracytoplasmic function family"FEMS Microbiology Letters. (印刷中). (2003)