2002 Fiscal Year Annual Research Report
MIN6細胞株を利用したグルコース反応性インスリン分泌機構に関する研究
Project/Area Number |
00J72204
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石塚 伸子 千葉大学, 大学院・医学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 糖尿病 / インスリン分泌 / ディファレンシャルディスプレイ / カルシウム |
Research Abstract |
<研究の目的> グルコース反応性膵β細胞株MIN6細胞を限界希釈して得られたコロニーを単離し、グルコース反応性インスリン分泌が良好なm9株と、不良なm14株をサブクローン化した。本研究では、この2つのサブクローン化したMIN6細胞を用いて、グルコース反応性インスリン分泌機構とその破綻に関与する遺伝子を網羅的に同定し、それぞれの遺伝子のインスリン分泌における役割を解析する。 <研究実績の概要> 蛍光ディファレンシャルディスプレイ法、データベース検索およびノザン法により、m9株とm14株の間で発現量の異なる遺伝子を同定した後、分類した。その結果、カルシウム代謝に重要な分子の発現の差異が認められた。細胞内カルシウム濃度測定より、m14株ではm9株に比べ細胞内カルシウム濃度の増加をみとめ、グルコース反応性カルシウム濃度上昇を認めなかった。m14株をカルシウムチャネルブロッカーであるニフェジピン処置後、グルコース反応性細胞内カルシウム濃度上昇とグルコース反応性インスリン分泌が改善した。さらにm14株では、ニフェジピン処置後、ATP感受性カリウムチャネルおよび電位依存性カルシウムチャネルのサブユニットの発現がmRNAレベル、タンパクレベルともに上昇した。m9株ではカルシウムチャネル作動薬であるBay K8644によりATP感受性カリウムチャネルおよび電位依存性カルシウムチャネルのサブユニットの発現が低下した。以上の結果、慢性的な細胞内カルシウムの上昇が、m14株のインスリン分泌不良の原因であることが示唆された。m9株とm14株で発現の異なる遺伝子のうち、カルシウム代謝に関与する遺伝子は、m14株の細胞内カルシウム上昇およびそれに伴うインスリン分泌不良の原因である可能性がある。さらに糖尿病におけるインスリン分泌不全との関与も示唆される。
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Research Products
(1 results)