1989 Fiscal Year Annual Research Report
強い電子相関を示す物質設計と結晶構造との相関の研究
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01420005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 康夫 東北大学, 理学部, 教授 (00013483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 滋 東北大学, 理学部, 助手 (20154750)
山田 和芳 東北大学, 理学部, 助手 (70133923)
加倉井 和久 東北大学, 理学部, 助手 (00204339)
神木 正史 東北大学, 理学部, 助教授 (30004451)
小松原 武美 東北大学, 理学部, 教授 (80004331)
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Keywords | X線回析装置 / 強力X線発生装置 / 酸化物超伝導体 / 構造相転移 / 反強磁性秩序状態 / Nd_2CuO_4 / La_2CuO_4 / La_2NiO_4 |
Research Abstract |
平成元年度には回転陰極型強力X線発生装置を含む単結晶用回析装置及び構造解析用附属システムを購入すべく、計画を錬った。しかし交付申請の段階で当初希望していた申請額より大巾に削減された予算しか交付されないことがわかり、如何に我々が希望している性能の装置を導入するか議論し、かつ業者との難しい折衝を行ない、計画の錬り直しに多くの無駄な時間を費やした。途中で何度も投了しようかとも考えたが思い直してやっと最終的に、少くとも強力なX線発生装置はどうしても必要である。将来の拡張も考慮して単結晶用の4軸型回析装置を購入する。その他の必要な研究用備品については研究計画年度内に時間をかけてでも完成に必要な手順で除々に充足することで合意して推進することにした。途中文部省に上申したが結局追加予算は認められなかった。 研究についての進展は以下に簡単にまとめる。 本年初頭に発見された新しい型の酸化物超伝導体Nd_<2-x>Ce_xCuO_4の原型物質のNd_2CuO_4の反強磁性が複雑な秩序状態をすることを発見したが、この相転移が結晶構造変化によって誘起されたものでないことを非常に精密なX線構造解析、中性子線回析等を駆使して最終的な結論を導いた。La_2CuO_4の酸素の化学当量からのずれと結晶構造、伝導、磁性との相関を研究しているが、現在のところ実験に必要な単結晶試料を得ることが出来ないので当初期待した程進んではいないが、約30Kに結晶変態を示唆する異常が見つかったことと、酸素の拡散が室温付近でも観測されている。この問題についてはより酸素の出入りが容易と想われる同型のLa_2NiO_4や少し結晶構造が通うと思われるLa_2CoO_4の単結晶を作成して研究を続けているが、未だ結論が出るところ迄進展していない。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yasuo Endoh,et al.: "Two Dimensional Spin Correlation and Sucessive Magnitic Phase Transitions in Nd_2CuO_4" Physical Review B. 40. 7023-7026 (1989)
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[Publications] Kazuyoshi Yamada,et al.: "Spin Dynamics in the Twoーdimensional Quantum Antiferromagnet La_2CuO_4" Physical Review B. 40. 4557-4565 (1989)
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[Publications] Kazuyoshi Yamada,et al.: "Comment on the Spin Structure of Nd_2CuO_4" Physica C. 165. 131-132 (1989)
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[Publications] M.Lang,et al.: "Complex Phase Diagram of La_xCuO_4 near 35K"
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[Publications] T.R.Thurston,et al.: "Antiferromagnetic Spin Correlations in(Nd・Pr)_<2-x>Ce_xCuO_4" Physical Review Letters.
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[Publications] K.Takada,et al.: "On the Crystal Distortion in Tetragonal Nd_2CuO_4" Physica C.