1989 Fiscal Year Annual Research Report
抗ラフ薬作用機序に関わる中枢βアドレナリン受容体の遺伝子構造とその発現調節機構
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01440048
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
松井 宏晃 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90181685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊野 美幸 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (20203218)
朝倉 幹雄 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (70103504)
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Keywords | βアドレナリン受容体 / 受容体遺伝子発現調節機構 / 抗うつ薬作用機序 |
Research Abstract |
平成元年度の主たる研究目標は、中枢β1アドレナリン受容体遺伝子発現調節機構を解明する第一歩として、ラットβ1受容体遺伝子構造、特にその構造遺伝子領域の解析であった。研究計画に基づき以下の様に実験を行った。初めに、定法に従ってラット肝臓よりゲノムDNAを抽出精製して、ゲノムDNAライブラリ-の作成を試みたが、予想に反して有効なライブラリ-の作製が困難であった。クロ-ニング実験の成功、不成功はライブラリ-の質に負うているため、これ以上ライブラリ-作製に時間を費やすことを断念し、他のグル-プの研究に用いられた実績のあるクロ-ンテク社製ゲノムライブラリ-を購入して実験を再開した。ヒト胎盤β1受容体cDNAを制限酵素処理し、その部分断片をアガロ-スゲル電気泳動法により精製した数種類のプロ-ブを用いプラ-クハイブリダイゼ-ション法によりスクリ-ニングを試みた。実験初期には、非特異的結合が予想以上に認められスクリ-ニングが難航したが、フィルタ-洗浄時の温度、塩濃度等条件を変化させながら至適条件を見いだした後は、high stringencyの条件下でもプロ-ブとハイブリダイズするクロ-ンを得ることに成功した。それらのクロ-ンを塩基配列決定用ベクタ-にサブクロ-ニング後、サンガ-らのジデオキシ法に準じて塩基配列を決定している。β1受容体構造遺伝子のおおよそ75%の塩基配列が既に明らかになっており、その結果、ラットとヒトβ1受容体の間には、90%程度の相同性があることが明らかになっている。しかしながら、平成元年度は予想以上に研究が難航したため、研究成果を論文として雑誌等に発表するには至らなかった点を反省せねばならない。平成2年度は、β1受容体遺伝子構造を、プロモタ-部位やモデュレ-タ-部位も含めて解析し、抗β1受容体抗体の作製、さらに哺乳動物培養細胞を用いた安定形質発現系の樹立等を達成したい。
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Research Products
(1 results)