1990 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマ-病治療のための実験的・神経心理学的研究
Project/Area Number |
01450016
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
梅本 守 大阪市立大学, 文学部, 教授 (60101284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 徹 和歌山県立医科大学, 脳神経外科, 講師 (40100995)
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Keywords | アルツハイマ-病 / 神経移植 / 迷路学習 / アセチルコリン含有細胞 / ラット |
Research Abstract |
老齢ラット(20〜26月齢)のラットの基底前脳核(NBM)を両側性にイボテン酸注入により破壊し,アルツハイマ-病モデル動物を作った統制群のラットは同腹の無処置のものである。NBM破壊ラットのコリンアセチラ-ゼ活性を測定すると有意に低下しており,破壊の目的は達成されたと見倣された。八方向迷路学習,一試行回避学習を両群に課したが、NBM破壊ラットは統制群のラットに較べ,成績が有意に悪く,見当識障害,短期記憶障害を起こしていることが認められ、アルツハイマ-病モデルラットと見倣すことができると結論された。 NBM破壊ラットの前頭葉皮質に迷走神経節を自家移植した。 迷走神経節細胞はアセチルコリン含有細胞が多数存在する。NBM破壊によって欠落したアセチルコリン含有細胞を補なうことによって,障害が改善されるかを見ることが本研究の眼目である。 前年度、老齢ラットでないものを用いて検討し,アセチルコリン含有細胞の活着に良好な結果を得たが,本年度,老齢ラットで再検討したが結果は活着の程度に個体差が大きく,群として行動実験の結果を結論することが出来ず、この点、来年度の実験に結論はゆだねられることになった。老齢ラットの脳が移植神経組織を受け入れる能力が欠けているのか、われわれの技法に問題点があるのか、次年度再検討すべき余地が残されてしまった。本年度の結果は2つの論文にまとめられ、現在投稿中である。
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[Publications] 板倉 徹他: "パ-キンソン病,アルツハイマ-病モデル動物に対する神経組織の移植" 神経研究の進歩. 33. 969-977 (1989)
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[Publications] 梅本 守: "アルツハイマ-病モデルラットと迷走神経節自家移植の背景" 人文研究. 41. 21-47 (1989)
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[Publications] Itakura,T.et al: "Transplantation of peripheral cholinergic neuron into Alzheimer model rat brain" Stereotact.Funct:Neurosing.55. 368-372 (1990)