1989 Fiscal Year Annual Research Report
連続繊維を用いた高強度軽量コンクリ-ト造部材の付着割裂破壊に関する研究
Project/Area Number |
01460189
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
園部 泰寿 筑波大学, 構造工学形, 教授 (40083894)
|
Keywords | 連続繊維 / 鉄筋代替の補強材 / 高強度軽量コンクリ-ト1種 / アラミド繊維 / 炭素繊維 / 主筋 / 横補強筋 / 付着割裂破壊 |
Research Abstract |
1.研究目的 連続繊維に樹脂を含浸させた棒状体を、鉄筋代替の補強材として用いたコンクリ-ト部材について、補強材とコンクリ-トとの間の付着性状を解明することが本研究の目的である。構造物の軽量化と補強材の高い強度を考慮し、コンクリ-トとしては、高強度軽量コンクリ-ト1種(設計基準強度Fc=360kg/cm^2程度)を中心として用いる。 2.試験体 本年度は横補強筋にアラミド、炭素繊維筋、主筋に鉄筋を用い、主筋周辺の付着割裂破壊の研究に主眼を置いた。試験体は片持ばり形式で、断面は幅×せい=20cm×35cm、主筋付着長30cmで総計13体である。内訳は片側主筋(日13)3本及び4本の横補強なしのもの、主筋が4本で上記2種の繊維筋が横補強筋でせん断補強筋比が0.25〜1.0%の4種、来年度以降の研究のためのアラミド主筋(12φ、組紐)3本及び4本の横補強なしのもの、及びアラミド主筋4本でせん断補強筋比0.5%のもの各1体である。コンクリ-トの圧縮強度は435kg/cm^2、補強筋のヤング係数は、鉄筋1.94、アラミド繊維0.63、炭素繊維1.0(各×10^6kg/cm^2)であった。加力は主筋の一方向単調引張荷重で行い、破壊形式は付着割裂破壊で主筋が引き抜けた。なお、本実験の模様は平成元年12月22日のNHKTVモ-ニングワイドで放映された。 3.実験結果 1)横補強筋がない場合、付着割裂強度はアラミド主筋の場合が鉄筋主筋の場合の約0.63倍であった。この差には主筋のヤング係数、表面形状と処理法、付着長などが関与するものと考えられる。2)日本建築学会のRC造終局強度型耐震設計指針の耐力式によって検討した結果、コンクリ-トを普通コンクリ-ト、補強筋を鉄筋とみなして、付着割裂強度をコンクリ-トと横補強筋による寄与分に分け、前者を指針式で評価した場合、後者はばらつきはあるが鉄筋に対する横補強筋のヤング係数比の0.62乗の補正係数により実験結果がまとめられる。
|
Research Products
(1 results)