1990 Fiscal Year Annual Research Report
集合体素子としてのレシチン類縁金属錯体の設計合成と機能解析
Project/Area Number |
01470100
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Research Institution | Faculty of Science and Technology, Keio University |
Principal Investigator |
吉川 貞雄 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (70010759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山内 州一 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (70051828)
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Keywords | 両親媒性錯体 / 分子集合体 / 光学活性 / レシチン類縁体 / ベシクル |
Research Abstract |
複合脂質による金属錯体の合成は,本来、生体内で金属とこの種の有機化合物が遭遇する機会が多いにも関わらず報告例が少ない。著者らはFig.1に示すN6型Co(III)錯体の2ツの水酸基に長鎖アシル基を導入した両親媒的な錯体をを調整し、このものの集合挙動の検討を試み、天然に存在する燐脂質ーケファリン、ホスファチジルセリンの金属錯体を指針として集合体素子としての比較検討を行った。 第一段階としてこの種の錯体の合成を試みた。目的化合物錯体を得るために考えられるストラテジ-としては(1)α,β位の水酸基を予め長鎖アシル化した配位子ー2,3ージアシルオキシプロピルエチレンジアミンを合成してこれと金属との反応による錯体の調製(2)2,3ージヒドロキシプロピルエチレンジアミンを配位子として一旦錯体を得て、ついでこれを化学的に修飾して長鎖基の導入された錯体を得る。が考えられる。(1)においてはアミノ基と水酸基が共存する基質のアミノアルコ-ルにおいて水酸基のみをアシル化する方法を確立しなければならない。(2)においては錯体を反応させるためのふさわしい条件の確立が要求される。 種々の反応条件のもとに最適条件の探索を行った。著者らは現時点において原則的に(2)の方法による合成法を確立した。即ち,Fig.1におけるN6錯体やtransー[CoCl_2(2,3,2ーtet)]の対イオンを変化させ、DMAc等の非プロトン性極性溶媒に対する溶解性を改良し、より高い収率にて両親媒性錯体を得た。
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