1989 Fiscal Year Annual Research Report
高地肺水腫のSusceptibilityに関する研究
Project/Area Number |
01480235
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小林 俊夫 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (80020775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 秋男 信州大学, 医学部附属心脈管病研究施設, 助教授 (70020758)
久保 恵嗣 信州大学, 医学部, 講師 (80143965)
平山 二郎 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (90156696)
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Keywords | 高地肺水腫 / 低酸素換気応答 / 炭酸ガス換気応答 / 低酸素性肺血管収縮反応 / 右心カテ-テル法 / 超音波パルスドップラ-法 |
Research Abstract |
高地肺水腫(HAPE)の発症には、低酸素および低圧環境や運動負荷などの要因が想定されているが、これまでの臨床研究により、患者の体質的素因(Susceptibility)も発症に重要な役割を演じている。 本研究では、高地肺水腫既往者を対象として、Susceptibilityを解析して本症を試みた。現在Susceptibilityとして想定されてるものは、低酸素換気応答と低酸素性肺血管収縮反応である。 1)低酸素換気応答能 HAPE既往者8名(男性7名、女性1名)、年令22〜48歳について、一般肺機性検査と換気応答能を検査した。換気応答能測定装置は、Weilら、RebuckらおよびWhitelowの換気応答能測定装置に準じて、著者らが設計したものを用いた。その結果、一般肺機能検査では、HAPE既往者群と対照群とは有意差はなく、両群間に有意差なく、いづれも正常範囲内であった。 低酸素換気応答能については、いづれもHAPE既往者群は、対照群に比し有意の低下を認めた。CO_2換気応答能については、HAPE既往者と対照群との間にいづれも有意差を認めなかった。以上の結果より、HAPE既往者では非既往者に比し、体質的素因としての低酸素換気応答能が低下しており、そのために低酸素環境暴露に対して十分な換気量の増加が得られず、このことがHAPE発症の一因となっているものと推定された。 2)低酸素性肺血管収縮反応 HAPE既往者に15%O_2および10%O_2吸入負荷による肺循環動態をを右心カテ-テル法と超音波パルスドップラ-法で検討すると、既往者群では、低酸素負荷により有意に肺動脈圧と肺血管抵抗の増加が認められた。このために、低酸素環境暴露に対して、肺高血圧が生じ、右心負荷となることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kawashima A.,et al.: "Hemodynamic responses to acute hypoxia,hypobaria,and exercise in subjects susceptible to high-altitude pulmonary edema." J Appl Physiol. 67. 1982-1989 (1989)
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[Publications] Kawashima A.,et al.: "Plasma levels of atrial natriuretic peptide under acute hypoxia in normal subjects." Respir Physiol. 76. 79-92 (1989)
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[Publications] Matsuzawa Y.,et al.: "Blunted hypoxic ventilatory drive in subjects susceptible to high altitude pulmonary edema." J Appl Physiol. 66. 1152-1157 (1989)
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[Publications] Fujimoto K.,et al.: "Irregular nocturnal breathing patterns at high altitude in subjects to high-altitudepulmonary edema(HAPE):a preliminary study." Aviat Space Environ Med. 60. 786-791 (1989)
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[Publications] Levine BD.,et al.: "Dexamethasone in the treatment of acute mountain sickness." N Engl J Med. 321. 1707-1713 (1989)
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[Publications] 分担執筆久保恵嗣,小林俊夫: "Annal Review呼吸器1990," 中学医学社, 33-41/292 (1989)