1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480237
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山林 一 東海大学, 医学部, 教授 (60055697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
灰田 宗孝 東海大学, 医学部, 助手 (20208408)
沓沢 智子 東海大学, 医学部, 助手 (10183310)
辻 千鶴子 東海大学, 医学部, 講師 (80130079)
塩谷 寿美恵 東海大学, 医学部, 講師 (20102840)
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Keywords | 肺障害 / 核磁気共鳴 / 緩和時間 |
Research Abstract |
1.正常肺組織内の2つのT_2成分の由来決定 (a)肺組織の核磁気共鳴緩和時間T_2はinーvitroの測定で2成分(T_<2f>:T_2 fast,T_<2s>;T_2 slow)が捉えられている。2つの成分は、肺障害の病態を反映し種々の実験肺で特徴的な動きを示すことから、これが肺組織のどの部分に由来する水を見ているのかを決定することは障害部位の診断に重要な意味を持つと考えられる。我々は、緩和時間からT_<2f>をタンパク質濃度の高い細胞内の水、T_<2s>は細胞外の水と仮定してきた。本研究では、(1)浸透圧の異なるNaCl溶液を静注後、(2)100%酸素吸入により脱気後、(3)浸透圧の異なるポリエチレングリコ-ル液の肺動脈への注入により、2つの成分の変化を見ることで各分画の水の存在部位の推測を行なった。その結果、T_<2f>はair-water interfaceによる磁場の不均一の影響を受けやすい部位、T_<2s>は血管内腔からの浸透圧の変化を受けやすい部位であることが判明した。T_<2f>はair-water interfaceによる磁場勾配の影響を受けやすい肺胞上皮細胞、血管内皮細胞など肺胞腔に直接面する肺胞壁内の水、T_<2s>は浸透圧による水バランスの変化を直接受けやすい間質組織の水に由来する可能性が裏づけられた。(b)肺組織内の血管内水分量、血管外水分量の定量を行い、我々のNMRサンプル肺組織中の水の約15%が血管内の残存血液に由来することがわかった。 2.In vivoでの肺緩和時間測定 生体肺でのより正確な緩和時間測定を可能にする目的で、表面コイルを試作した。特色は、Excitation coilとReciever coilの2つのコイルを用いることである。機能を分けたことで信号検出目的部位での磁場均一度があがり、肺組織からの弱い信号をS/Nよく捉えられるはずである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sumie Shioya: "A 1- Year Time Course Study of the Relaxation Times and Histology for Irradiated Rat Lungs" Magnetic Resonance in Medicine.
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[Publications] Sumie Shioya: "T_2 of Endotoxin Lung Injury with and without Methylprednisolone Treatment" Magnetic Resonanoe in Medicine.
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[Publications] Sumie Shioya: "A Time Course Study of the Nuclear Magnetic Resonance(NMR)Spin-Spin Relaxation Times for Endotoxin Lung Injury in Living Rats" American Review of Respiratory Disease.
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[Publications] 塩谷寿美恵: "Interleaves Line Scanを用いた自発呼吸ラット正常肺,inーvivo NMR緩和時間T_2の2成分解析" 胸部疾患学会雑誌.
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[Publications] 塩谷寿美恵: "ラットエンドトキシン傷害肺におけるinーvivo NMR緩和時間T_2およびproton densityの時間経過" 胸部疾患学会雑誌.