1991 Fiscal Year Annual Research Report
新低酸素圧細胞放射線増感剤ニトロイミダゾ-ル系核酸類似物質の生物学的特性の研究
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01480277
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
母里 知之 東海大学, 医学部, 教授 (70055896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 昇 東海大学, 医学部, 助手 (70218949)
玉井 好史 東海大学, 医学部, 助手 (90207225)
前沢 博 東海大学, 医学部, 講師 (00138653)
大泉 幸雄 東海大学, 医学部, 講師 (30024813)
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Keywords | 放射線増感剤 / 低酸素性細胞 / EMT6腫瘍細胞 / SCC VII腫瘍細胞 / ニトロイミダゾ-ル化合物 / ミソニダゾ-ル(Misonidazole) / エタニダゾ-ル(Etanidazole) / RPー170 |
Research Abstract |
RPー170の経口投与の可能性を検討した。RPー170は水溶性が高く経口投与ではEtanidazole同様血中、腫瘍内濃度の上昇は期待できないと懸念したが予想に反して血中、腫瘍内濃度とも比較的高く、マウスでの腫瘍内濃度は静脈内濃度の81%が得られた。分配係数を表すp値から予想されるoral bioavailabilityは64%程度であるが、マウス、ビ-グル犬ともにこれを上回る値を示していた。増感効果は腫瘍内濃度を反映して静脈内、腹腔内投与よりは劣るもののその最大値は比較的長く持続した。さらに急性毒性はマウス、ラットでのLD_<50>が静脈内投与では各々4.3g/kg,3.3g/kgであるのに対し、経口投与では5.2g/kg,4.6g/kgと増加し静脈内投与よりやや低毒性を示すことが明らかになりRPー170は経口投与も十分可能であると判断された。 一方、2ーニトロイミダゾ-ル、3ーニトロー1、2、4ートリアゾ-ル、5ーニトロウラシル系増感剤について、増感剤処理後の細胞内nonーproteinSH(NPSH)濃度とそれらの放射線増感剤のp値(log p),還元電位を表すE_<1/2>値の間の相関性を検討したところ,Aerobic条件下の細胞内NPSH濃度はE_<1/2>値との間で相関系数γ=0.039,p値(log p)との間ではγ=-0.652,Hypoxic条件下の細胞内NPSH濃度は、E_<1/2>との間では、γ=-0.091,p値(log p)との間では、γ=-0.727となり、Aerobic条件、Hypoxic条件共に細胞内NPSHとE_<1/2>値ではほとんど相関性はなく、細胞内NPSH濃度とp値の間に高い相関性が得られた。また、放射線増感剤処理後の細胞内NPSH濃度、それらの放射線増感剤のE_<1/2>値、p値(log p)と増感率(ER)との間の相関性を見ると、細胞内NPSH濃度(Hypoxic条件下)とERの間ではγ=0.788,E_<1/2>値とERとの間ではγ=0.331,p値(log p)とERとの間ではγ=0.690となり,ERと細胞内NPSH濃度、p値の間に高い相関性が得られ、ERとE_<1/2>の間ではほとんど相関性がないことが判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Chieko Murayama: "Rediosensitization by 2-nitroimidazole nucleoside analog RP-170:Redeosinsitizing effects under both intravenous and oral administration." Int.J.Radiat.Oncol.Biol.Phys.22. 557-560 (1992)
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[Publications] 村山 千恵子: "低酸素細胞増感剤up date" KARKINOS. 5. (1992)
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[Publications] 大泉 幸雄: "新しい低酸素性細胞増感剤(RPー170)の有効性" 医学のあゆみ. 156. 720 (1991)