1989 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトTPO遺伝子産物の大量分離法の確立と臨床応用および酵素活性部位の決定
Project/Area Number |
01480293
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
大滝 幸哉 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (00001917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 富男 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (10161936)
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Keywords | ヒトTPO / 遺伝子産物 / 臨床応用 / 構造 |
Research Abstract |
ヒトTPO(hTPO)の遺伝子産物の大量分離法確立とSiteーdirected mutagenesisによる構造解析のために二種類の発現系を検討した。 前者についてはhTPO遺伝子をマウスdihydrofolate reductase(dhfr)遺伝子を有するプラスミッドpSV2ーdhfrに組み込みpSV2-hTPO・dhfrを作製し、CHO細胞にトランスフェクションしその膜上に発現させた。methotrexate(MTX)を培養液に加えることにより細胞増殖速度は低下するもののTPOの発現量を増すことができ、1リットルの培養液から1mgのTPOを精製することが可能になった。このrecombrinant hTPO(rhTPO)の分子量はnative hTPOと同じであり、免疫学的性状を自己抗体との結合という面からmicro-ELISAにより検討するとnative hTPOと同一であった。又、酵素学的性状もほぼnative hTPOと同じである。抗hTPO自己抗体検出キット開発の目的で、rhTPOを抗原としてmicro-ELISAにより各種甲状腺疾患患者血清を定量してみたが、従来のマイクロゾ-ムテストを凌ぐ良好な結果を得ている。膜型rhTPOでは生産量に限度があるため、hTPO遺伝子の蛋白コ-ド部分の末端にあるトランスメンブレン部分を除去し同様のプラスミッドを作製してrhTPOの収量を上げようとしているが、目的に合致するCHO株を分離出来ないのが現状である。 site-directed mutagenesisによるhTPOの構造解析のための発現系として、HepG2細胞を用いたVaccinia virus cDNA発現系を選択した。発現が短時間で終了するからである。イムノブロッティングによりrhTPOの発現を検討したところ、感染後24時間で蛋白あたりのrhTPOの発現は最大に達し72時間まで続いた。このrhTPOをイムノアフィニティ-カラムで精製後酵素活性を検討するとnative hTPOと同じであった。上記の系を最終assay系として、hTPOの構造解析を検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kimura,S.: "cDNA-directed expression of human thyroid peroxidase" FEBS Lett.250(2). 377-380 (1989)
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[Publications] Hata,J.: "Stable high level expression of human thyroid peroxidase in cultured chinese hamster ovary cells" Biochem.Biophys.Res.Commun. 164(3). 1268-1273 (1989)