1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480355
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西本 詮 岡山大学, 医学部, 教授 (50032850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国塩 勝三 岡山大学, 医学部附属病院, 医員
重松 秀明 岡山大学, 医学部附属病院, 医員
津野 和幸 岡山大学, 医学部附属病院, 医員
三島 宣哉 岡山大学, 医学部附属病院, 医員
古田 知久 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (30181457)
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Keywords | 悪性脳腫瘍 / 密封小線源治療 / 放射線壊死 |
Research Abstract |
悪性脳腫瘍の治療成績は、脳神経外科学領域における治療技術の進歩にもかかわらず、5年生存率が10%以下と低迷を続けている。この悪性脳腫瘍に対して、近年、正常組織を避け腫瘍部のみに大量照射が可能な密封小線源療法を適用し、従来の治療方法に比較しより良好な治療成績を得たとの報告がなされ、注目を集めている。しかし、脳腫瘍に対する密封小線源療法の至適条件(total dose、dose rate)については未だ不明の点が多い。この至適条件の解明を研究目的とし、ラット正常脳に対しIrー192seedを用いた実験モデルで、1)密封小線源療法による正常脳組織の耐容限界の決定、2)脳腫瘍モデルに対する本治療法の効果の検討、3)本治療法による末梢血リンパ球サブセットの変化の検索、を行なうことを研究課題にあげた。 このうち、平成元年度は、主に正常脳組織に対する密封小線源照射の影響につき検討した。当初、Irー192seedリボンを脳内に直接刺入していたが、線源の紛失予防の観点から小カテ-テル内にseedを封入する方法に変更し、刺入および抜法に伴う侵襲を最小限とするため、カテ-テルの材質、形状に改良を加えた。線源の刺入は、手術操作が容易で、組織学的に観察する構造(白質、灰白質)が比較的大きく単純である点より、右大脳半球前半部(bregmaより0.3mm後方、正中より3.0mm外側)に行なっている。現在のところ照射後3ケ月までの生存を確認しており、ラット脳に対する定位脳手術的小線源刺入法を用いた実験モデルを確立し得た。次に照射後の組織学的変化を検討した。線源より3mm離れた部位の総線量が150Gyとなるように線源を留置し、照射後1週間、2週間、4週間の組織を検討したが、明らかな放射線壊死巣は認められなかった。しかし、総線量を200Gyに増量した例では、壊死巣を観察したため、総線量、線量率、観察期間を変えた検討を計画し、実施中である。
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Research Products
(1 results)