1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480472
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上村 修三郎 徳島大学, 歯学部, 教授 (20028799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 郁雄 徳島大学, 歯学部, 助手 (90196212)
岩崎 裕一 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (30151723)
福富 茂 徳島大学, 歯学部, 助手 (60199247)
細木 秀彦 徳島大学, 歯学部, 助手 (60199502)
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Keywords | 顎関節 / 同時多層断層撮影法 / 適合性変化 / 咀嚼サイクル / 荷重負荷 |
Research Abstract |
本研究の目的は、顎骨の発育成長段階および退行変性段階において、顎運動に伴って生じた顎関節部骨構造のバリエ-ションをX線写真を用いて分析し、顎関節完成期における骨形態を推定し、これをもとに患者の骨形態の変化ならびに顎運動パタ-ンから顎関節にかかる機能的負荷の大きさと方向を予測し、口腔機能の改善に役だたしめようとすることにある。科研費補助金交付前の研究ならびに平成元年度の研究において、(1)側頭骨よりも下顎頭の方の適合性変化が大きい。(2)顎関節症患者の保存的治療の前後で、適合性変化を来す場合と、明らかな変化が観察されない場合がある。(3)下顎頭の平坦化は、形態の個人差に無関係に、一定の様式に従っておこる傾向がある。(4)下顎頭後面に発見される陥凹は、どの年代の患者群においても、全顎関節の約30%に生じており、顎関節症患者の顎機能と密接に関係していると推定される。(5)保存的治療が行われた患者の経過観察時に下顎頭後面の陥凹が一過性に観察されることがある。(6)小児の下顎頭は通常、丸味を帯びた外形を有するが、顎関節に症状を訴える者には形態異常が認められる。(7)機能的、骨格性にかかわらず、下顎前突症の関節突起は特異なパタ-ンを呈する。等、定性的な骨形態変化の一面がとらえられた。 形態と機能との関係を明らかにするためには、これらの骨形態変化を量的に表し、下顎の運動パタ-ンとの対比が重要となる。平成元年度の研究目標の一つであった顎関節同時多層X線断層撮影法の改良を行うことによって、計測基準点の写し込みおよび、各層の重ねあわせの可能性が高くなった。一方、シロナソアナライジングシステムによる顎運動の解析は、先人の業績をもとに、主として機能異常の観察されない被検者の咀嚼サイクルを中心に研究を進めているが、機器操作上の難点、計測結果のばらつきがあり、大きな成果はあげられていない。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] UEMURA,S.: "A radiological Study on the adaptive changes in the functional temporomandibular joint" Oral Radiology. 4. 109-117 (1988)
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[Publications] 上村修三郎: "機能に伴う顎関協骨形態の変化(下顎頭の陥凹について)(抄)" 歯科放射線. 29. 92-93 (1989)
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[Publications] 上村修三郎: "顎関節の写真計測(抄)" 歯科放射線. 29. 226 (1989)
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[Publications] 細木秀彦: "顎関節症患者の経時的観察ーX線検査の時期と下顎頭形態の変化ー" 日本顎関節学会雑誌. 2. (1990)