1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480521
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
的場 秀樹 山口大学, 教養部, 助教授 (20035166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北浦 孝 金沢大学, 教養部, 助教授 (00143868)
杉浦 崇夫 山口大学, 教養部, 講師 (80136150)
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Keywords | 筋力トレ-ニング / 筋肥大 / 蛋白質 / デオキシリボ核酸 / リボ核酸 |
Research Abstract |
筋力トレ-ニングの効果に個人差が生じる原因を探ることを目的として本研究を実施した。本研究においては、当初、ラットを用いて筋力トレ-ニングのモデルである代償性肥大をおこさせ、このときの筋タンパク質量あるいは筋線維横断面積の変化の大きさが筋線維組成と関連づけられるか否かを検討すること、および同じ動物モデルを使って、トレ-ニングによる核酸量の変化の大きさと筋肥大の程度が対応づけられるか否かを検討することを平行して行おうとした。しかし研究の進捗状況から本年度内に二点についての結論を得ることは難しいと判断し、途中より後者の検討にその課題を絞った。行った実験の方法および得られた結果は次の通りであった。 左側後肢腓腹筋の腱を切断することにより、8匹の4カ月齢ウィスタ-系雄性ラットのヒラメ筋に代償性肥大をおこさせ、腱切断手術より2週間に、その筋重量、蛋白質量、および核酸量(DNAとRNA)を偽手術を施した右側後肢のヒラメ筋の値と比較した。なお、蛋白質量の測定に際しては、まず筋の一部をpHメ-タ-(日製産業製Fー16)でpHを7.4に調製した燐酸バッファ-中で5%ホモジネ-トを作製し、そのうちの100ulを試料にとして用いた。DNA量とRNA量は、高速液体クロマトグラフシステム(日製産業製Lー6000シリ-ズ)で求めた各画分の塩基量を基に算出した。 代償性肥大の程度は個体により異なり、筋重量を目安にすると、7%から32%の範囲にあった。また蛋白質量からみると、0%から25%の範囲にあった。筋肥大による蛋白質量の増加の程度はDNAとRNAの増加程度と関連がみられた。なかでも筋蛋白質量の増加率とRNAの増加率のあいだにはr=0.89(P<0.01)の強い正相関があった。以上の結果は、筋力トレ-ニング効果の個人差は核酸量の調節能力と深く関わっていることを示唆する。
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