1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01510063
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三浦 利章 大阪大学, 人間科学部, 講師 (00116104)
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Keywords | 技能 / 視覚運動協応 / 眼球運動 / 視覚探索 / 視覚情報処理機構 / 省力化・自動化 |
Research Abstract |
当研究の目的は以下の二点にある。(1)様々な製造工程における最近の技能の変化の実態を調査して明らかにすることである。そこでは特に、ロボット化することの困難な技能形態を明らかにする。この結果に引き続き、(2)ロボット化することの困難な人間固有の高度な作業技能の特質を解析し、さらにそこで見出される視覚運動協応機構を実験的に明らかにすることである。 このために、平成元年度には、いくつかの事業所での自動化の困難な作業についての予備調査を行ってきた。この調査から当研究の目的に最も適した作業として、検ビン作業に焦点を当てた。これはあるビ-ル工場での最終工程で行われている検査作業であるが、一見外部から観察するときわめて単純、単調と見られる作業であるが、その作業の実態はきわめて高度なものである。それは、1分間に250ー300本の瓶がライン上を流れてくる。キズ等の不良率は0.01ー3%という低頻度でかつ不良状態は7ー9種にのぼるのであるが、不良品の検出ミスは0.02ー3%という高結果を示すものであることが分かった。また、このように高度の技能が必要とされる故に、作業者の精神的疲労はきわめて大きく、作業現場では20分交代制を導入していることも分かった。 この、実態調査に引き続き、ビ-ル工場の検ビン作業中に眼球運動を測定するための呼び実験を実施した。具体的には、NAC V型で測定し、ビデオレコ-ダ-にデ-タを蓄積した。現在、得られたデ-タの解析中であるが、デ-タの視察から、読書時や通常の実験室での視覚探索課題では示されない高速の視覚走査が行われていることが示唆されている。人間の視覚情報処理能力の限界での作業が行われていることが想定されるのであるが、今後には、その実態と情報処理機構を明らかにしていく。
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Research Products
(1 results)