1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01510064
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
難波 精一郎 大阪大学, 教養部, 教授 (40029616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EDWARD Costi 大阪大学, 言語文化部, 外国人教師
桑野 園子 大阪大学, 教養部, 講師 (00030015)
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Keywords | 非母国語の聴取能力 / 文章了解度 / 留学生 / 騒音の影響 / バブルノイズ |
Research Abstract |
平成元年度に準備した音源を用いて,大阪大学留学生34名,大阪大学日本人学生17名を対象にして実験を実施した。その結果,文章の聴取に際し,日本人と比べて,留学生の方が騒音の影響を受け易いこと,文の各要素の認識過程が留学生と日本人学生で著しく異なっていることなどが分かった。また,文章に難解な単語が含まれている場合,文脈からの推定が困難な場合,発音が不明瞭であったり,独特のイントネ-ションがある場合など,特に留学生には聞き取りが困難になることが示唆された。さらに,補足実験として,日本音響学会編“単音節明瞭度試験用音源テ-プ"を用いて,留学生11名を対象に単音節明瞭度試験を実施した。この結果から,本実験に参加した留学生は,静かな条件下で,品質のよい単音節を正しく聞き取り,かつ書き取ることができる能力を有しているにもかかわらず,騒音下で,日常のくずれた文,あるいは発音を正確に聞き取ることが困難であることがわかった。なお,これらの結果は1990年9月に開催された日本建築学会環境工学委員会音シンポジウムで招待講演として報告した。 また,1990年8月に難波と桑野が渡欧した際にドイツ・オルデンブルグ大学のSchick教授,スウェ-デン・ストックホルム大学のBerglund教授と,および1990年5月に桑野が渡米した際にアメリカ・ノ-スイ-スタン大学Florentine教授と,それぞれの国での実験の実施についての討論を行った。さらに,1990年11月,1991年3月には中国科学院声学研究所の鄭副教授の来日の折に討論を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 難波 精一郎・桑野 園子・Edward Costigan・他2名: "日本語聴取に及ぼす騒音の影響ークラスタ-分析による留学生と日本人学生の比較ー" 日本音響学会講演論文集. 487-488 (1990)
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[Publications] 難波 精一郎・桑野 園子・他1名: "母国語・非母国語の聴取に及ぼす騒音の影響" 日本心理学会論文集. 168 (1990)
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[Publications] 難波 精一郎・桑野 園子・Edward Costigan・他1名: "騒音(バブルノイズ)下における母国語・非母国語の聴取" 建築学会第33回音シンポジウム資料. 19-27 (1990)